ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤「エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター、皮下注120mgシリンジ」(一般名:ガルカネズマブ(遺伝子組換え))について、2021年1月22日、「片頭痛発作の発症抑制」の効能又は効果で、国内製造販売承認を取得したことを日本イーライリリーと第一三共が発表した。
本剤はイーライリリー・アンド・カンパニーにより創製されたヒト化抗CGRPモノクローナル抗体で、新規作用機序を持つ片頭痛発作の発症を抑制する薬剤として開発された。本剤は、片頭痛発作時に上昇することが知られているカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に選択的な結合親和性を有し、その活性を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制することが期待される。
本剤における反復性片頭痛患者を対象とした海外第III相試験(CGAH試験)において、二重盲検投与期における1ヵ月あたりの片頭痛日数のベースラインからの変化量の6ヵ月平均値が、本剤はプラセボに比べ有意に減少していた。同様に、反復性片頭痛患者を対象とした国内第II相試験(CGAN試験)においても、1ヵ月あたりの片頭痛日数の変化量(6ヵ月平均値)は、プラセボ群とエムガルティ群で有意差が認められた。また、慢性片頭痛患者を対象とした臨床試験、ならびに他剤で効果不十分な片頭痛患者を対象とした臨床試験のいずれにおいても、1ヵ月あたりの片頭痛日数の変化量(3ヵ月平均値)はプラセボ群と比較してエムガルティ群で有意に減少していた。
安全性については、主な副作用(発現頻度1%以上)として、注射部位疼痛、注射部位反応(紅斑、そう痒感、内出血および腫脹等)等が報告されている。
■製品概要
販売名:エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター
エムガルティ皮下注120mgシリンジ
一般名:ガルカネズマブ(遺伝子組換え)
製造販売承認日:2021年1月22日
効能又は効果:片頭痛発作の発症抑制
用法及び用量:通常、成人にはガルカネズマブ(遺伝子組換え)として初回に240mgを皮下投与し、以降は1ヵ月間隔で120mgを皮下投与する。
製造販売元:日本イーライリリー株式会社
販売元:第一三共株式会社
(ケアネット 金沢 浩子)