KRASG12C阻害薬sotorasibは非小細胞肺がん(NSCLC)の第I相試験で奏効率(ORR)32.2%、疾患コントロール率(DCR)奏効期間(DoR)10.9ヵ月、無増悪生存期間(PFS)6.3ヵ月という成績を示した。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO VIrtual2021)では、初となる第II相試験の結果を静岡県立静岡がんセンターの高橋 利明氏が発表した。
対象:KRAS p.G12C変異を有する既治療(3ライン以下)の局所進行または転移のあるNSCLC
介入:sotorasib960mg/日、PDとなるまで投与
評価項目:
[主要評価項目」BICR評価の奏効率
「副次評価項目]DoR、DCR、初回奏効までの期間(TTR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性など
[探索的研究]バイオマーカー
主な結果は以下のとおり。
・11ヵ国から126例が登録され、124例が評価された(年齢中央値63.5歳、PS0~1)
・プラチナ含有化学療法と免疫チェックポイント阻害薬の前治療を受けていた患者は81%であった。
・追跡期間中央値12.2ヵ月のconfirmed ORRは37.7%、DCRは80.6%であった。
・DoRは10.0ヵ月で、奏効者の43%が治療を継続していた。
・PFSは6.8ヵ月であった。
・全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)は69.8% Grade3以上は19.8%、Grade5はなかった。
(ケアネット 細田 雅之)