日本肝癌研究会が肝内胆管癌診療ガイドライン2021年版を2020年12月に発刊した。これまで胆道癌診療ガイドラインが発刊されてきたが、肝外胆管癌、胆嚢癌、十二指腸乳頭部癌が対象とされ、肝内胆管癌に対するガイドラインは存在していなかった。
肝内胆管癌診療ガイドラインは腫瘤形成型およびその優越型を対象として作成
今回初版となる肝内胆管癌診療ガイドラインは、肝内胆管癌の分類、患者数や治療法などを踏まえ肝内胆管癌のうち腫瘤形成型およびその優越型を対象として作成されている。構成は総論・各論からはじまり、アルゴリズム、Background Statements/Clinical Topics、Clinical Questionsの枠組みで記載されている。
肝内胆管癌診療ガイドラインの主な内容は以下のとおり。
<Background Statements/Clinical Topics>
BS1:全世界における肝内胆管癌の罹患率の変動と地域特性
BS2:肝内胆管癌発生の危険因子
BS3:本邦と欧州における肝内胆管癌の進行度(Stage)分類の相違点
BS4:肝内胆管における前癌・早期癌病変
BS5:肝内胆管における腫瘍類似病変
CT1:肝門部胆管癌と肝内胆管癌の肝門部浸潤の区別は可能か?
<Clinical Questions>
CQ1:有効なスクリーニング法はあるか?
CQ2:診断に有用な臨床検査は何か?
CQ3:診断に有用な画像検査は何か?
CQ4:腫瘍の進展範囲(T因子)の診断に有用な検査は何か?
CQ5:リンパ節転移の診断に有用な画像検査は何か?
CQ6:遠隔転移の診断に有用な画像検査は何か?
CQ7:腫瘍生検はどのような症例に行われるべきか?
CQ8:腫瘍条件からみた外科治療の適応は?
CQ9:安全で合理的な手術術式は?
CQ10:リンパ節郭清に意義はあるのか?
CQ11:穿刺局所療法の適応となる症例は?
CQ12:切除不能肝内胆管癌に推奨される薬物療法は何か?
CQ13:術前化学療法は推奨されるか?
CQ14:術後補助化学療法は推奨されるか?
CQ15:切除不能肝内胆管癌に定位放射線治療は推奨されるか?
CQ16:切除不能肝内胆管癌に粒子線治療は推奨されるか?
(ケアネット 土井 舞子)