ALK陽性肺がんにおけるct-DNAのバイオマーカーとしての可能性(CROWN)/ASCO2021

未治療のALK陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)における第3世代ALK‐TKIロルラチニブの第III相CROWN試験。バイオマーカーとしての血中腫瘍DNA(ct-DNA)の追加解析がASCO2021で発表され、早期のct-DNAの変化がロルラチニブの効果予測と関係する可能性が示された。
CROWN試験
・対象:StageIIIB/IVの未治療のALK陽性肺がん(無症状のCNS転移は許容)
・試験群:ロルラチニブ(100mg/日)
・対照群:クリゾチニブ(250mgx2/日)
・評価項目:
[主要評価項目]盲検化独立中央評価委員会(BICR)による無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]治験実施医によるPFS、BICR評価の奏効率(OR)、BICR評価の脳内奏効率(IC-OR)、BICR評価の奏効期間(DoR)、BICR評価の脳内奏効期間(IC-DR)、全生存期間(OS)、安全性、ct‐DNAバイオマーカー
追加解析では、Guardant360CDx(Guardant Health)を用いて血漿からctDNAを解析(ベースライン、4週目、治療終了時)。ALKと体細胞遺伝子全体の変異アレル頻度(VAF)を各時点で検出した。また、治療時(4週、24週時)のVAFとベースラインのVAF差をdVAF として算出した。そして、治療時VAF/ベースラインVAF比50%以上をノンレスポンダー、50%未満をレスポンダー(50%未満を達成した例をレスポンダー[cleared]、0~49%をレスポンダー[non cleared])と分類し、腫瘍効果とPFSを層別評価している。
主な結果は以下のとおり。
・合計255例中ベースラインで血漿サンプルが入手できた症例は、ロルラチニブ群122例、クリゾチニブ群117例であった。
・ロルラチニブ群のALK陽性はベースラインでは50.8%(62/122例)であったが、治療4週時には6.6%(8/122例)となった。クリゾチニブ群のALK陽性はそれぞれ51.3%(60/117例)、4週時9.4%(11/117例)と減少した。
・ベースラインでctDNAが検出された症例では非検出例に比べ、腫瘍サイズが大きかった。
・dVAF低下例における腫瘍サイズの減少はロルラチニブ群でみられた。
・4週目においてALKのdVAFが低下した患者のPFS中央値は、ロルラチニブ群未到達、クリゾチニブ群7.4ヵ月であった。
・PFSと分子学的奏効との関係をみると、ロルラチニブ群ではノンレスポンダーに対するレスポンダー(cleared)のPFS HRは0.29(95%信頼区間[CI]:0.12~0.72)、レスポンダー(non-cleared)のHRは0.66(95%CI:0.22~2.02)と、レスポンダーでPFSが良好であった。一方、クリゾチニブ群におけるHRは、レスポンダー(cleared)1.21(95%CI:0.53~2.76)、レスポンダー(non-cleared)2.83 (95%CI:1.08~7.41)と、相関は見られなかった。
発発表者は早期のctDNAの変化は、未治療のALK陽性NSCLCの患者におけるロルラチニブの有効性を予測する可能性を述べると共に、ALK陽性NSCLCの早期ctDNAモニタリングを評価する研究が進行中であることを示した。
(ケアネット 細田 雅之)
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