6~12歳未満にコロナワクチン半量投与で強い抗体、第III相試験中間解析/モデルナ

提供元:ケアネット

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公開日:2021/10/28

 

 米国・モデルナ社は10月25日付のプレスリリースで、同社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて、12歳未満の小児を対象にした第II/III相試験の中間解析のデータを公表した。公表したのは6歳~12歳未満のコホートで、良好な安全性プロファイルを有するmRNA-1273ワクチン50μg(通常100μgのところ、その半量)を2回投与したところ、強い中和抗体応答を示したという。モデルナは、本解析結果を近く米国食品医薬品局(FDA)をはじめ、海外諸国の規制当局に提出する。

 モデルナが6ヵ月~12歳未満の小児を対象に実施している第II/III相試験(KidCOVE試験)では、6ヵ月~2歳未満、2~6歳未満、6歳~12歳未満の3つの年齢層に分け、mRNA-1273ワクチン50μgを2回接種した際の安全性、忍容性、反応原性および有効性を評価している。このうち6歳から12歳未満のコホートには4,753例が登録。第III相COVE試験(18歳以上対象、mRNA-1273ワクチン100μg×2回接種)で得られた若年成人と本コホートを比べたSARS-Cov-2血清中和抗体価の幾何平均比(GMR)は1.5(95%信頼区間[CI]:1.3~1.8)、血清反応率は99.3%だった。2回目接種の1ヵ月後に本コホートで強い免疫応答を示し、主要評価項目である第III相COVE試験を対照群として比較した免疫原性における非劣性を達成した。有害事象の大半は軽度または中等度で、最も一般的な誘発有害事象は、疲労、頭痛、発熱、注射部位の痛みだった。KidCOVE試験では、引き続き6ヵ月~6歳未満の小児の登録を継続し、研究が続いている。

 COVID-19ワクチンを巡っては、米国・ファイザー社でも小児を対象とした臨床試験を進めている。同試験では、5~11歳の小児に対し、BNT162b2ワクチンの2回接種後7日以降の発症予防率が90.7%を示すデータが先ごろ公表され、FDAの諮問委員会は10月26日、ファイザー製ワクチンの緊急使用承認(EUA)の対象を5~11歳にも拡大するよう勧告した。

(ケアネット 鄭 優子)

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