PD-L1高発現NSCLC1次治療に対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの効果(WJOG@Be)/ J Immunother Cancer

提供元:ケアネット

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公開日:2022/02/18

 

 非小細胞肺がん(NSCLC)において、免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬の併用の可能性が議論されている。PD-L1阻害薬アテゾリズマブと血管新生阻害薬ベバシズマブの併用は第III相IMpower150試験で検討されているが、化学療法がベースの検討であり、アテゾリズマブ+ベバシズマブのみの有用性評価ではない。

 そのような中、NSCLCに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの評価が、九州がんセンターの瀬戸貴司氏らによる第II相単群WJOG@Be試験で検討されている。同試験結果がJournal for immunotherapy of cancer誌で発表され、未治療のPD-L1高発現NSCLCに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブの可能性が示唆されている。

・対象:未治療のPD-L1高発現(TPS≧50)非扁平上皮NSCLC(PS 0〜1)
・介入:アテゾリズマブ1,200mg+ベバシズマブ15mg/kg 3週ごと最大2年間、病勢進行あるいは忍容不能な副作用発現まで投与
・評価項目:
[主要評価項目]客観的奏効率(ORR)
[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・登録39例のうちCRは0例、PRは25例で、ORR は64.1%であった。
・12ヵ月PFS率は54.9%、12ヵ月OS率は70.6%であった。
・25例の奏効患者のDoR中央値は10.4ヵ月であった。
・重篤な有害事象(AE)は12例23項目で発現したが、Grade4以上のものはなかった。
・治療中断は19例で、12例は疾患進行、2例は免疫関連AEによるものであった。

 今回の結果を受けて著者は、アテゾリズマブとベバシズマブの併用はPD-L1高発現の非扁平上皮NSCLCに対し、可能性のある治療法であると述べている。

(ケアネット 細田 雅之)