2月28日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第7.0版」を公開し、全国の自治体に通知を行った。
今版の主な改訂点は以下の通り。
診療の手引き7.0版の主な改訂点
【1 病原体・疫学】
・変異株について更新
・国内と海外の発生状況を更新
【2 臨床像】
・(特にオミクロン株の知見に関して)臨床像を更新
・重症化リスク因子を更新
・ワクチンによる重症化予防効果を追加
・国内小児例の臨床的特徴・重症度、小児における家庭内感染率を更新
・小児多系統炎症性症候群(MISC)について更新
経過、小児重症COVID19 registryの報告を追加・更新
・妊婦例の特徴について更新
日本産婦人科学会の調査を更新、新たな知見およびCOVIREGI JPの結果を追加
【3 症例定義・診断・届出】
・症例定義を更新、疑似症に関してを追記
【4 重症度分類とマネジメント】
・重症度別マネジメントのまとめにニルマトレビル/リトナビルを追加
・重症につき
国内における体外式膜型人工肺(ECMO)データを更新
透析患者のデータを更新
・新たなレベル分類と医療逼迫時の対応を追加
【5 薬物療法】
・抗ウイルス薬と中和抗体薬の併用について十分な知見がなく現時点で推奨されないことを記載
・モルヌピラビルの脱カプセル・(簡易)懸濁投与に関して記載
・ニルマトレビル/リトナビルについて追加
研究結果を追加:重症化リスクのある非入院患者において、28日目までの入院または死亡が低下(0.7% vs.6.5%)
投与方法・投与時の注意点・入手方法について記載
・軽症・中等症患者を対象とした治療薬の主な臨床試験を更新
・妊婦に対する薬物療法を更新(ニルマトレビル/リトナビルを追加)
・国内で開発中の薬剤を整理
PF07321332は削除(ニルマトレビル/リトナビルが認可されたため)
【6 院内感染対策】
・医療従事者が濃厚接触者となった場合の考え方を更新
・妊婦および新生児への対応を更新
【7 退院基準・解除基準】
・オミクロン株の無症状患者の療養解除基準を追加
・早期退院の目安を追加
(ケアネット 稲川 進)