がん悪液質の国内第II相プラセボ対照比較ONO-7643-04試験における、アナモレリン奏効患者のサブ解析が、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022 )で静岡県立静岡がんセンターの内藤立暁氏により発表された。
ONO-7643-04試験のサブ解析、アナモレリンが優越性示す
ONO-7643-04試験のサブ解析の結果、ほとんどのサブグループでアナモレリンの優越性が示された。ただし、PS不良例など一部のサブグループでの優越性の低さが示されている。
・対象:非小細胞肺がんに関連するがん悪液質患者(n=174)
・試験薬群:アナモレリン(n=84)
・対照群:プラセボ(n=90)
・評価項目:除脂肪体重(LBM)、体重、食欲に対する奏効率、OOLなど
ONO-7643-04試験のアナモレリン奏効患者におけるサブ解析の主な結果は以下のとおり。
・除脂肪体重に関する全体の奏効率はアナモレリン群64.4%に対しプラセボは28.9%、オッズ比(OR)は4.41で、アナモレリン群で有意に良好であった(p<0.001)。
・ただし、PS不良群(ECOG PS2、OR:4.00、p=0.140)と、同時併用薬なし群(OS:1.20、p=0.820)では他のサブグループと比べ低かった。
・全体重に関する全体の奏効率はアナモレリン群65.4%、プラセボ16.7%、ORは9.46で、アナモレリン群で有意に良好であった(p<0.001)。
・ただし、PS不良群では他のサブグループと比べ低かった(ECOG PS2、OR:5.00、p=0.102)。
・食欲に関する全体の奏効率はアナモレリン群75.9%、プラセボ群51.7%、ORは2.95で、アナモレリン群で有意に良好であった(p=0.001)。
・ただし、高齢(65歳以上、OR:2.01、p=0.066)、体重減少が少ない(5~10%)群(OR:2.16、p0.069)、同時併用薬なし群(OR:1.75、p=0.435)、EGFR-TKI同時併用群(OR:1.53、p=0.495)では他のサブグループと比べ低かった。
・アナモレリン群の有害事象はPS不良な症例ほど多く、PS0〜1 の38.4%に対し、PS2では60.0%であった。アナモレリンの有害事象による治療中止はなかった。
(ケアネット 細田 雅之)