乳がん検診における浸潤性乳がんの検出率について、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィと2Dフルフィールドデジタルマンモグラフィ単独で比較したところ、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィで有意に高かったことが、ドイツで実施された非盲検無作為化優越性試験(TOSYMA)で示された。University Hospital MunsterのWalter Heindel氏らがLancet Oncology誌オンライン版2022年4月12日号に報告。
本試験は、ドイツの2つの連邦州における17の検診施設で実施された。対象は品質管理されたマンモグラフィ集団検診プログラムに参加した50〜69歳の女性。地域ごとに層別化したブロック無作為化を用いて、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ、または2Dフルフィールドデジタルマンモグラフィに1対1に無作為に割り付けた。主要評価項目は、ITT集団での浸潤性乳がんの検出率と24ヵ月の浸潤性中間期がん率で、安全性はas-treated集団で評価した。
主な結果は以下のとおり。
・2018年7月5日~2020年12月30日に、9万9,689人の女性をデジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ群(4万9,804人)とデジタルマンモグラフィ群(4万9,830人)に割り付けた。
・主要評価項目が評価可能な参加者において、浸潤性乳がんが検出された女性は、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ群で4万9,715人中354人(1,000人当たり7.1例)、デジタルマンモグラフィ群で4万9,762人中240人(1,000人当たり4.8例)だった(オッズ比:1.48、95%CI:1.25~1.75、p<0.0001)。
・有害事象は各群6件報告で重篤な有害事象は報告されておらず、デバイスの不具合はデジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ群で23件、デジタルマンモグラフィ群で5件報告された。
(ケアネット 金沢 浩子)