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Dr.田中和豊の血液検査指南 電解質編

この名ティーチングを受けて、もう苦手とは言わせない。

診療科
内科 
収録内容
第1回 総論1:生理学
第2回 総論2:体液
第3回 総論3:輸液
第4回 総論4:尿
第5回 総論5:酸塩基平衡の歴史
第6回 総論6:酸塩基平衡障害の評価方法
第7回 総論7:酸塩基平衡評価の実際
第8回 各論1:高Na血症
第9回 各論2:低Na血症
第10回 各論3:K(カリウム)
第11回 各論4:CaとP
第12回 各論5:Mg、微量元素とビタミン
講師
田中 和豊
収録時間
234分
価格
9,900円(税込)
発行日
2022-04-10
商品コード
CND0326

「Dr.田中和豊の血液検査指南」シリーズの第3弾となる電解質編は総論と各論の2部構成。
電解質総論では生理学、体液、輸液、尿、酸塩基平衡について、基礎となる部分を解説します。苦手な人も多い「電解質」。そんな方にも理解しやすいよう尿細管やイオンチャネル、煩雑な数式などはできるだけ使用せず、簡略化し、エッセンスだけを解説していきます。
電解質各論では、Na、K、Ca、P、Mgなど血液検査でそれぞれの電解質の異常を診たときのDr.田中和豊式“鉄則”と“フローチャート”を示して電解質異常へのアプローチを徹底的にレクチャーします。
医学生、臨床研修医は必見です!もう「電解質は苦手」とは言わせません!
※この番組をご覧になる際に、「問題解決型救急初期検査 第2版(医学書院)」ご参考いただくと、より理解が深まります。
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第1回 総論1:生理学


Dr.田中和豊の血液検査指南の第3弾、電解質編がスタート。生理学からレクチャーしていきますが、その前に、苦手意識を持つ人も多い「電解質」。なぜ電解質がわからないのか を確認してみましょう。そこに苦手意識を解消するヒントが隠れているからです。
生理学では、人間の細胞とその環境を理解するために、生命の誕生と進化についてお話します。その後、体液維持のメカニズム、浸透圧調節系、容量調節系についてわかりやすい図を用いて解説します。

第2回 総論2:体液
Dr.田中和豊の血液検査指南「電解質編」の第2回は「体液」を解説します。人体の60%を占める液体のうち、40%は細胞内液で20%が細胞外液です。そして、20%の細胞外液のうち、15%は細胞と細胞の間の細胞間質液で、残りの5%が血漿です。
脱水症や電解質異常の場合、その体液分画の比率に異常が生じている可能性があります。
そのような疾患の体液分画異常を推定するために用いられるのが体液評価の指標で、容量調節系であるNa平衡を評価する指標と浸透圧調節系である水平衡を評価する指標が存在します。
これらの指標を使って、どのように体液を評価していくのか。
Dr.田中和豊のわかりやすい解説で、理解を深めていきましょう!

第3回 総論3:輸液
Dr.田中和豊の血液検査指南「電解質編」の第3回は「輸液」の解説です。「輸液」についてどう感じていますか?「計算が面倒」「時間がない」「なんとなく」などさまざまなご意見があるのではないでしょうか?この番組では、計算しなければならないという輸液に対する「強迫観念」を捨て、「おおざっぱ」な輸液方法をお教えします。

第4回 総論4:尿
前回の第3回では“輸液”で水分を“入れる”ことを確認しました。今回は“尿”、すなわち水分を“出す”、“出る”ことについて考えていきましょう。
尿とは、水溶性老廃物を溶質、水を溶媒とする水溶液。しかし、単なる水溶液ではありません。人間が陸上で生きていくためには、人体の体液量と濃度を一定に調整することが必要なのです。そのため、生体は、尿の量と濃度をリアルタイムでコントロールして排出しているのです。それではその尿の量や濃度はどのようにコントロールされているのでしょうか。Dr.田中和豊がわかりやすく解説します。

第5回 総論5:酸塩基平衡の歴史
1884年に初めて化学上、「酸塩基」が定義されました。その後、生体における酸塩基平衡はCopenhagenアプローチ、Bostonアプローチ、Stewartアプローチなどさまざまな理論が展開されてきました。それはどのような考え方から生まれたのか、そしてその議論の決着は?Dr.田中和豊が酸塩基平衡の歴史を興味深く紐解いていきます。

第6回 総論6:酸塩基平衡障害の評価方法
今回は、酸塩基平衡の評価方法について確認していきましょう。前回で紹介したいくつかの評価方法の中でも、医師国家試験や内科専門医試験に出題されるのはBoston Approachによる酸塩基平衡の評価方法です。ですので、まずはこの評価方法を身に付けていきましょう。
Dr.田中和豊公安の、人体の酸塩基平衡の状態を見立てた「酸塩基平衡の海」。これを基に考えていくことによって、そのときの人体の状況と、どのように治療すればよいのかなどが理解できるようになります。

第7回 総論7:酸塩基平衡評価の実際
総論編の最終回、酸塩基平衡障害の実際の症例を基に評価を行っていきます。これまでに出てきた酸塩基平衡の海や、Dr.田中和豊式チャートを使って評価を進めていきましょう。さらには、二次性反応の簡易判定法の計算式を語呂合わせで覚えるなど、実際の臨床の現場で役立つ内容となっています。また、総論の総まとめでは、これまで示してきた輸液・電解質・酸塩基平衡の三角形だけではなく、新たに六面体という考え方を示しています。ぜひご確認ください。

第8回 各論1:高Na血症
今回から、各論に入っていきます。電解質異常の緊急性を考えると、高K血症>高Ca血症>Na異常の順になりますが、番組では、Na→K→Ca/P→Mg/Zn/Cuの順に解説していきます。
まずは高Na血症からです。高Na血症の定義、発生機序を理解することから。そのうえで、高Na血症の際、どのようにアプローチするのかをDr.田中和豊式フローチャートで確認しましょう。どのように治療するのか、輸液の選択、輸液量や速度の決め方についてもお教えします。Dr.田中和豊のシンプルでわかりやすい解説でしっかりと頭の中に入ってくることでしょう。

第9回 各論2:低Na血症
各論の第2回は低Na血症です。まずは、低Na血症の定義と、その症状を確認しましょう。
そのうえで、どのように診断・治療していくのかをDr.田中和豊式フローチャートで確認し、
実際の治療については症例も提示しながら解説します。
輸液の種類は?量は?スピードは?それらをどのように決定していくのか、またそのほかにも3%食塩水の作り方など、臨床で迷うところをしっかりとカバーします。

第10回 各論3:K(カリウム)
今回はK(カリウム)についてみていきます。
Kの基準値を覚えておくことは重要です。Kの値を見て、すぐに行動に移す必要があるからです。
とくに高K血症は、電解質異常の中で一番緊急性が高いので、まずは治療を行います。慌てずにしっかりと対応できるよう、やるべきことを確認しておきましょう。
低Na血症は、比較的緊急性は高くありませんが、原因探索を行い、適切な治療を行えるよう、Dr.田中和豊式フローチャートと鉄則で確認しましょう!

第11回 各論4:CaとP
各論の第4回目はCa(カルシウム)とP(リン)について解説します。
CaとPはホルモンでコントロールされるため、腎臓内科ではなく、内分泌内科で扱われることが多い電解質です。ですが、CaやPの異常は日常的によく遭遇するため、専門領域に関係なく、すべての医師にとって知っておかなければならない電解質です。
それぞれの基準値、定義などから実際の治療例までをDr.田中和豊がわかりやすく解説します。

第12回 各論5:Mg、微量元素とビタミン
電解質編の最終回は、マグネシウム、微量元素とビタミンについて確認していきます。
マグネシウムはルーティーンの生化学検査ではチェックしません。しかしながら、Mg異常は全身の臓器にさまざまな症候を起こしえます。そのため、まずMg異常で起こる症候を知り、症候から異常を疑って検査することが重要です。
微量元素とビタミンは、栄養の領域で、医師の仕事ではなく、栄養士の仕事という先入観がありませんか?しかし、実は栄養を改善するだけで多くの病態が改善します。不要な検査や薬物を削減するためにも、しっかりと確認しておきましょう。
電解質はNa, K, Ca, Pだけではなく、Mg、そして微量元素とビタミンまで日常診療で注意することが、臨床力アップにつながります!

田中 和豊 ( たなか かずとよ )氏 済生会福岡総合病院 総合診療主任部長/臨床教育部部長

1988年慶應義塾大学理工学部物理学科卒業後、1994年筑波大学医学専門学群(現 医学群医学類)卒業。 卒業後、日米の病院で広く内科・救急・集中治療・外科系の臨床現場で研鑽を積む。2004年現在の病院に赴任して以後、新たに臨床教育部と総合診療部を設立して現在に至る。米国内科学会専門医および上級会員、日本救急医学会専門医、日本内科学会総合内科専門医および指導医、日本専門医機構総合診療領域専門研修特任指導医、日本プライマリ・ケア連合学会暫定指導医。一貫して、誰にでもできる臨床医学の「明晰で判明な方法」を探究して、誰もが良医になることができる臨床教育システムの構築を模索している。著書:『問題解決型 救急初期診療 第2版』 『問題解決型 救急初期検査 第2版』(医学書院)、『臨床の力と総合の力 ジェネラリスト診療入門』(共著)(CBR)など