診療科別、専門医の平均取得数は?/1,000人アンケート

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/19

 

 2018年からスタートした新専門医制度は、昨年初の機構認定の専門医が誕生し、新制度への移行が進む予定となっている。一方、サブスぺ領域の認定や、学会認定の専門医との位置付けなど、課題も多く指摘されている。CareNet.comの20~50代の会員医師1,000人を対象に、現在の専門医取得状況や今後の取得・更新意向について聞いた(2022年7月28日実施)。

専門医の取得数が多い傾向がみられた診療科は?

 全体で、専門医取得数を2つ以上と回答した医師は51%だった。少数派ではあったが、1.7%の医師が6つ以上と回答した。年代別にみると、30代では2つ以上と回答したのが42.3%だったのに対し、40代では62.5%まで増加、40代と50代はほぼ横ばいだった。

 診療科別にみた専門医取得数の平均値(中央値)は以下のとおり。消化器は外科・内科ともに専門医取得数が多かったほか、神経内科や腎臓内科も高い傾向がみられた。一方、精神科や皮膚科では少ない傾向がみられた。

消化器外科[n=24]:3.4(3)
神経内科[n=26] :3.0(3)
消化器内科[n=58]:3.0(3)
腎臓内科[n=25]:2.9(3)
感染症内科[n=4]:2.8(3)
腫瘍科[n=10]:2.7(2.5)
外科[n=33]:2.7(2)
脳神経外科[n=25]:2.6(3)
循環器内科[n=59]:2.5(2)
糖尿病・代謝・内分泌内科[n=31]:2.4(2)
呼吸器内科[n=34]:2.2(2)
心臓血管外科[n=11]:2.1(2)
救急科[n=10]:1.9(2)
整形外科[n=55]:1.9(2)
産婦人科[n=18]:1.9(2)
形成外科[n=11]:1.8(1)
内科[n=183]:1.7(2)
血液内科[n=8]:1.6(2)
小児科[n=45]:1.6(2)
呼吸器外科[n=4]:1.5(1.5)
リハビリテーション科[n=12]:1.5(1)
放射線科[n=27]:1.5(1)
総合診療科[n=15]:1.5(1)
病理診断科[n=9] :1.4(2)
耳鼻咽喉科[n=15]:1.3(1)
泌尿器科[n=20] :1.3(1)
その他[n=21]:1.2(1)
麻酔科[n=27] :1.1(1)
眼科[n=16]:1.0(1)
膠原病・リウマチ科[n=7]:1.0(1)
皮膚科[n=22] :0.8(1)
精神科[n=76] :0.8(1)
臨床研修医[n=59]:0.3(0)

58%の医師が持っている専門医をすべて更新予定と回答

 現在持っている専門医資格について聞いた質問では、認定内科医が24.5%と最も多く、総合内科専門医(18.8%)、外科専門医(8.4%)が続いた。新専門医制度の基本19領域と認定内科医、総合内科専門医以外の資格(“その他”として自由回答)を持つと回答した医師も14.4%おり、各学会認定の多様な専門医資格を取得している状況がわかる。

 今後の更新予定については、現在持っている専門医資格について、58.6%の医師が「資格をすべて更新予定」と回答。「一部は更新しない予定」は3.0%、「すべてを更新しない予定」は1.1%に留まった。

専門医取得による給与・待遇の向上があったと回答したのは14%

 専門医を取得することによるメリットについては、「知識向上やスキルアップができた」が39.6%と最も多く、「開業時に役立った(15.8%)」「他の医師・スタッフから信頼が得られた(14.6%)」という回答が続いた。「給与や待遇が向上した」と回答したのは14.1%だった。

 一方のデメリットについては、「受験料、更新料、学会参加などで費用がかかる」が36.3%と最も多く、「学会での単位取得など、時間的な負担が大きい(31.3%)」「評価システムへの登録等、手続きが煩雑(15.7%)」といった時間・手間等の負担を挙げる声が多く上がった。

アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。
会員医師の専門医取得状況は―医師1,000人に聞きました

(ケアネット 遊佐なつみ)