2018年からスタートした新専門医制度は、昨年初の機構認定の専門医が誕生し、新制度への移行が進む予定となっている。一方、サブスぺ領域の認定や、学会認定の専門医との位置付けなど、課題も多く指摘されている。CareNet.comの20~50代の会員医師1,000人を対象に、現在の専門医取得状況や今後の取得・更新意向について聞いた(2022年7月28日実施)。
専門医の取得数が多い傾向がみられた診療科は?
全体で、専門医取得数を2つ以上と回答した医師は51%だった。少数派ではあったが、1.7%の医師が6つ以上と回答した。年代別にみると、30代では2つ以上と回答したのが42.3%だったのに対し、40代では62.5%まで増加、40代と50代はほぼ横ばいだった。
診療科別にみた専門医取得数の平均値(中央値)は以下のとおり。消化器は外科・内科ともに専門医取得数が多かったほか、神経内科や腎臓内科も高い傾向がみられた。一方、精神科や皮膚科では少ない傾向がみられた。
消化器外科[n=24] | :3.4(3) |
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神経内科[n=26] | :3.0(3) |
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消化器内科[n=58] | :3.0(3) |
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腎臓内科[n=25] | :2.9(3) |
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感染症内科[n=4] | :2.8(3) |
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腫瘍科[n=10] | :2.7(2.5) |
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外科[n=33] | :2.7(2) |
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脳神経外科[n=25] | :2.6(3) |
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循環器内科[n=59] | :2.5(2) |
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糖尿病・代謝・内分泌内科[n=31] | :2.4(2) |
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呼吸器内科[n=34] | :2.2(2) |
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心臓血管外科[n=11] | :2.1(2) |
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救急科[n=10] | :1.9(2) |
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整形外科[n=55] | :1.9(2) |
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産婦人科[n=18] | :1.9(2) |
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形成外科[n=11] | :1.8(1) |
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内科[n=183] | :1.7(2) |
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血液内科[n=8] | :1.6(2) |
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小児科[n=45] | :1.6(2) |
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呼吸器外科[n=4] | :1.5(1.5) |
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リハビリテーション科[n=12] | :1.5(1) |
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放射線科[n=27] | :1.5(1) |
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総合診療科[n=15] | :1.5(1) |
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病理診断科[n=9] | :1.4(2) |
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耳鼻咽喉科[n=15] | :1.3(1) |
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泌尿器科[n=20] | :1.3(1) |
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その他[n=21] | :1.2(1) |
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麻酔科[n=27] | :1.1(1) |
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眼科[n=16] | :1.0(1) |
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膠原病・リウマチ科[n=7] | :1.0(1) |
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皮膚科[n=22] | :0.8(1) |
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精神科[n=76] | :0.8(1) |
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臨床研修医[n=59] | :0.3(0) |
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58%の医師が持っている専門医をすべて更新予定と回答
現在持っている専門医資格について聞いた質問では、認定内科医が24.5%と最も多く、総合内科専門医(18.8%)、外科専門医(8.4%)が続いた。新専門医制度の基本19領域と認定内科医、総合内科専門医以外の資格(“その他”として自由回答)を持つと回答した医師も14.4%おり、各学会認定の多様な専門医資格を取得している状況がわかる。
今後の更新予定については、現在持っている専門医資格について、58.6%の医師が「資格をすべて更新予定」と回答。「一部は更新しない予定」は3.0%、「すべてを更新しない予定」は1.1%に留まった。
専門医取得による給与・待遇の向上があったと回答したのは14%
専門医を取得することによるメリットについては、「知識向上やスキルアップができた」が39.6%と最も多く、「開業時に役立った(15.8%)」「他の医師・スタッフから信頼が得られた(14.6%)」という回答が続いた。「給与や待遇が向上した」と回答したのは14.1%だった。
一方のデメリットについては、「受験料、更新料、学会参加などで費用がかかる」が36.3%と最も多く、「学会での単位取得など、時間的な負担が大きい(31.3%)」「評価システムへの登録等、手続きが煩雑(15.7%)」といった時間・手間等の負担を挙げる声が多く上がった。
アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。
会員医師の専門医取得状況は―医師1,000人に聞きました
(ケアネット 遊佐なつみ)