ゾコーバ緊急承認を反映、コロナ薬物治療の考え方第15版/日本感染症学会

提供元:ケアネット

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公開日:2022/11/28

 

 日本感染症学会は11月22日、「COVID-19に対する薬物治療の考え方 第15版」を発刊した。今回のCOVID-19に対する薬物治療の考え方の改訂ではエンシトレルビル(商品名:ゾコーバ錠)の緊急承認を受け、薬物治療における注意点などが追加された。

 日本感染症学会のCOVID-19に対する薬物治療の考え方におけるゾコーバ投与時の主な注意点は以下のとおり。

・COVID-19の5つの症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っぽさまたは発熱、倦怠感[疲労感])への効果が検討された臨床試験における成績等を踏まえ、高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方を検討する
・重症化リスク因子のない軽症例では薬物治療は慎重に判断すべきということに留意して使用する
・重症化リスク因子のある軽症例に対して、重症化抑制効果を裏付けるデータは得られていない
・SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから遅くとも72時間以内に初回投与する
・(相互作用の観点から)服用中のすべての薬剤を確認する(添付文書には併用できない薬剤として、降圧薬や脂質異常症治療薬、抗凝固薬など36種類の薬剤を記載)
・妊婦又は妊娠する可能性のある女性には投与しない
・注意を要する主な副作用は、HDL減少、TG増加、頭痛、下痢、悪心など

 このほか、抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミングの項には、「重症化リスク因子のない軽症例の多くは自然に改善することを念頭に、対症療法で経過を見ることができることから、エンシトレルビル等、重症化リスク因子のない軽症~中等症の患者に投与可能な症状を軽減する効果のある抗ウイルス薬については、症状を考慮した上で投与を判断すべきである」と、COVID-19に対する薬物治療の考え方には記載されている。

(ケアネット 土井 舞子)

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