腎細胞がん、ニボルマブ+イピリムマブによるアジュバント療法のサブグループ解析(CheckMate 914)/ASCO2023

提供元:ケアネット

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公開日:2023/06/27

 

 未治療の進行期腎細胞がん(RCC)に対するニボルマブ+イピリムマブ療法は、長期にわたる有効性と忍容性が報告されている。一方、術後RCCにおいて同レジメンのアジュバント療法を評価するCheckMate 914試験(PartA)では、無病生存期間(DFS)への恩恵は示されていない。

 米国臨床腫瘍学会年次総会(2023 ASCO Annual Meeting)では、この理由を明らかにするため、CheckMate 914試験(PartA)のサブグループ解析について、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのRobert J. Motzer氏が発表した。

・対象:根治的腎摘除術または腎部分切除術を施行された再発リスクが中等度~高度の限局性淡明細胞型RCC症例
・試験群:ニボルマブを2週ごと、イピリムマブを6週ごと24週間投与(NivoIpi群:405例)
・対照群:2種のプラセボを2週ごとと6週ごとに24週間投与(Pla群:411例)
・評価項目:
[主要評価項目] 盲検下独立中央判定(BICR)によるDFS
[副次評価項目] 安全性、全生存期間

 主な結果は以下のとおり。

・重要なサブグループ解析としてTNMステージ、病理グレード、肉腫様、PD-L1発現を取り上げたが、TNMステージ、病理グレードについては、DFSとの明らかな関連が認められなかった。
・PD-L1≧1%症例(102例)におけるNivoIpi群対Pla群のDFS HRは0.40(95%信頼区間[CI]:0.19~0.84)、一方、PD-L1<1%症例(625例)におけるDFS HRは1.14(同:0.85~1.54)であった。
・肉腫様症例(40例)におけるDFS HRは0.29(95%CI:0.09〜0.91)であった。
・NivoIpi群における早期治療中断を投与回数6回以下と6回超で評価した。結果、投与回数6回以下に対する6回超のDFS HRは0.74(95%CI:0.48~1.13)と、早期治療中断でDFSが不良な傾向にあった。
・患者報告による健康関連QOLは、全般的評価スケールであるEQ-5D-3Lと、腎がん治療に特化した機能評価スケールであるFKSI-19で評価した。結果、両スケールともに臨床上意義のある差は認められなかった。

(ケアネット)

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