ブレクスピプラゾール治療、統合失調症患者からどう評価されているか

提供元:ケアネット

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公開日:2023/09/19

 

 藤田医科大学の横井 里奈氏らは、ブレクスピプラゾールによる抗精神病薬治療に対する統合失調症患者の主観的評価を調査した。Fujita Medical Journal誌2023年8月号の報告。

 本研究は、14週間のプロスペクティブ観察研究として実施した。対象は、2019年2月~2020年1月に本研究に参加した統合失調症患者19例。

 主な結果は以下のとおり。

・ブレクスピプラゾール治療開始時の患者の平均年齢は40.6±14.2歳、臨床全般印象度の重症度(CGI-S)スコアの平均値は4.6±1.2であった。
・14週間のブレクスピプラゾール治療により、抗精神病薬治療下主観的ウェルビーイング評価尺度短縮版の日本語版(SWNS-J)合計スコアの有意な改善が認められた(p=0.0084)。
 【SWNS-J合計スコア】68.1±22.3(2週目) → 79.5±21.0(14週目)
・SWNS-Jの下位尺度であるセルフコントロール(p=0.0053)および社会的統合(p=0.012)においても、有意な改善が認められた。
 【SWNS-Jセルフコントロールスコア】14.0±4.7(2週目) → 17.0±4.7(14週目)
 【SWNS-J社会的統合スコア】13.9±6.0(2週目) → 16.0±5.1(14週目)
・観察期間中、他のSWNS-J下位尺度または薬に対する構えの評価尺度(DAI-10)スコアの有意な改善は認められなかった。
・SWNS-J合計スコアとDAI-10(r=0.31、p=0.19)またはCGI-Sスコア(r=-0.18、p=0.47)との相関が認められなかった。

 結果を踏まえて著者らは、「ブレクスピプラゾール治療は、統合失調症患者の主観的なウェルビーイングを改善する可能性が示唆された。服薬アドヒアランスを高めるためには、患者の主観的な評価を長期にわたり実施することが重要である」としている。

(鷹野 敦夫)