英国・ウルバーハンプトン大学のZina Sherzad Qadir氏らは、PRISMA-P声明に従って、統合失調症治療に使用される経口抗精神病薬の有効性および忍容性を比較するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Pharmacy(Basel、Switzerland)誌2023年11月10日号の報告。
主要アウトカムは、症状の改善、副作用に対する忍容性、治療中止理由により測定された臨床反応とした。
主な結果は以下のとおり。
・21件の研究を分析に含めた。
・個々の患者における治療反応は、アリピプラゾールvs.ziprasidoneおよびクエチアピン(CDSS:p=0.04、BPRS:p=0.02、YMRS:p=0.001)、ziprasidone vs.クエチアピン(CGI:p=0.02、CDSS:p=0.02)で認められた。
・アリピプラゾールは、リスペリドン、ziprasidone、クエチアピンよりも忍容性が高かった(p<0.05)。
・クエチアピンは、アリピプラゾール、ziprasidone、リスペリドンよりも忍容性が高かった(p<0.05)。
・ziprasidoneは、クエチアピン、ハロペリドール、オランザピンよりも忍容性が高かった(p<0.05)。
・リスペリドンは、オランザピンよりも忍容性が高かった(p=0.03)。
・ハロペリドールは、オランザピン、クエチアピンよりも忍容性が高かった(p<0.05)。
・オランザピンは、クエチアピンよりも治療中止リスクが低かった(p<0.05)。
・クエチアピンは、ziprasidone、アリピプラゾール、ハロペリドールよりも治療中止リスクが低かった(p<0.05)。
・ziprasidoneは、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドールよりも治療中止リスクが低かった(p<0.05)。
・アリピプラゾールは、クエチアピン、ziprasidone、オランザピンよりも治療中止リスクが低かった(p<0.05)。
・オランザピンは、ziprasidone、ハロペリドールよりも治療中止リスクが低かった(p<0.05)。
著者らは「個々の患者の臨床反応、副作用に対する忍容性、生命を脅かす可能性のある副作用は、経口抗精神病薬の選択および継続において最も信頼できる根拠であると結論付けられる」としている。
(鷹野 敦夫)