余暇の身体活動が閉経「後」の乳がんリスクを予防するという強いエビデンスはあるが、閉経「前」の乳がんリスクとの関連は明らかではない。今回、英国・The Institute of Cancer ResearchのIain R. Timmins氏らが19のコホート研究を含む大規模なプール解析を実施した結果、身体活動レベルが高いと閉経前乳がんリスクが低いことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年12月11日号に掲載。
本研究では、閉経前女性54万7,601人、乳がん患者1万231例を含む、19のコホート研究の自己申告による余暇の身体活動の個々人のデータを統合した。多変量Cox回帰モデルを用いて、余暇の身体活動と乳がん発症率の関連におけるハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値11.5年(四分位範囲:8.0~16.1)において、余暇の身体活動が低レベルに対する高レベルの人の乳がんリスクは、BMIの調整前で6%(HR:0.94、95%CI:0.89~0.99)、調整後で10%(HR:0.90、95%CI:0.85~0.95)低かった。
・非線形性の検定は、ほぼ直線的な関係を示した(非線形のp=0.94)。
・逆相関はHER2-enrichedの乳がんにおいてとくに強かった(HR:0.57、95%CI:0.39~0.84)。
(ケアネット 金沢 浩子)