乳がんリスク、初経から妊娠までの身体活動量との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/26

 

 初経から最初の妊娠までの期間が長いほど乳がんリスクは高くなるが、その期間に予防因子である身体活動量が多いとリスクを相殺できるのだろうか。今回、米国・ペンシルバニア州立大学のDan Lin氏らの研究で、初経から最初の妊娠までの期間の身体活動量と乳がんリスクの低下に関連があることが示された。サブタイプ別ではトリプルネガティブタイプでは関連がみられたが、Luminal AおよびLuminal Bタイプではみられなかった。Cancer Causes & Control誌オンライン版2022年8月20日号に掲載。

 Lin氏らは、California Teachers Study(n=78,940)において、初経から最初の妊娠までの期間における身体活動と乳がんリスクとの関連性を調査した。いくつかの時点におけるレクリエーションの身体活動を登録時に想起してもらい、週当たりの身体活動量(MET・時/週)を計算した。多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・21.6年間の追跡調査で浸潤性乳がんが5,157例にみられた。
・初経から最初の妊娠までの期間が長いほど、乳がんリスクが高かった(20年以上vs.15年未満、HR:1.23、95% CI:1.13~1.34)。
・初経から最初の妊娠までの期間に身体活動量(MET・時/週)が多い女性は、浸潤性乳がんのリスクが低かった(40以上vs.9未満、HR:0.89、95%CI:0.83~0.97)。また、トリプルネガティブタイプのリスクが低かった (同40以上vs.9未満、HR:0.53、95%CI:0.32~0.87)が、Luminal AおよびLuminal Bタイプでは関連がなかった。
・初経から最初の妊娠までの期間が15~19年の女性では、身体活動量が多いほど乳がんリスクが低かった(40以上vs.9未満、HR:0.80、95%CI:0.69~0.92)が、15年未満および20年以上の女性では関連がなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)