患者と家族のための情報サイト「教えて、胆道がん」を開設/AZ

提供元:ケアネット

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公開日:2023/12/25

 

 アストラゼネカは2023年12月11日付のプレスリリースにて、胆道がんの治療に役立つ情報を提供するウェブサイト「教えて、胆道がん」(以下、同サイト)を12月8日にオープンしたことを発表した。

認知度が低い胆道がんと患者の悩み

 胆道がんは、年間約2万3,000例が罹患しているとされる。その5年生存率は膵がんの次に低く、治療選択肢も長年限られていた1)。同社が2023年2月に実施した「胆道がん患者調査」では、胆道がんと診断される前から胆道または胆道がんについて知っていた患者は2割程度にとどまり、約半数は「まったく知らなかった(名前も聞いたことがなかった)」と回答した。また、がんと診断された後に生活が大きく変化する中で、治療法やその後の経過での体の変化などを医療者に相談できているケースは半数に満たず、医療者との、または職場でのコミュニケーションに関して、悩みなどを患者自身が抱えている場合が多いことも明らかになった。

胆道がんの基礎知識から日常生活の悩みや困り事まで役立つ情報を幅広く提供

 現況を受け同社は、これまでよく知られていなかった胆道がんについて、罹患した患者が疾患や治療の理解をはじめ、治療や暮らしなど、さまざまな悩みに立ち向かう際に役立つ情報サイトを開設した。

 この「教えて、胆道がん」では、胆道がんと診断された患者や家族が抱える疑問・悩みを4つのカテゴリ「胆道がんとは?」「治療」「コミュニケーション」「日常生活」に分け、胆道の基礎知識から、治療中に日常生活を送りやすくするヒントまで、Q&A形式で掲載している。回答は、多くの胆道がん患者と接してきた胆道がん専門医、がん相談支援センターで胆道がんをはじめ多くのがん患者の相談に向き合っている看護師により、それぞれの目線で作成されている。

 同サイトを監修した神奈川県立がんセンター総長の古瀬 純司氏は、次のように述べている。「胆道がんは一般の方に十分に知られている病気とはいえず、胆道がんと診断されたことで、患者さんやご家族にとって不安が大きいものと思います。最適な治療を受け、安心して生活していただくには、正確な情報を得ることが大切です。まずは、本サイトにより病気の理解を深めていただければ幸いです。胆道がんでも一人ひとりの病状は異なります。ぜひ、本サイトをご覧いただき、専門の医療者にもっと詳しい情報や治療方針をご相談いただければと思います」。

 同社は、「患者さんを第一に考える」を企業バリューの1つとして、患者を中心とした治療支援などの推進に取り組み、新たな治療の提供だけでなく、治療環境の整備、情報提供環境の整備などの活動にも注力している、と述べ、同サイトを通じて「1人でも多くの胆道がん患者とその家族の支援に貢献できるよう、これからもわかりやすい確かな情報発信に努めていく」としている。

(ケアネット 石原 菜保子)