統合失調症診断の指標となりえる唾液中ガレクチン3レベル

精神疾患を特定する生物学的マーカーはほとんどなく、精神疾患患者に対する侵襲的なサンプリング手法は困難なケースも少なくないため、非侵襲的な手法である唾液サンプルの活用は、有用であると考えられる。パキスタン・Islamic International Medical CollegeのSaba Shoukat氏らは、統合失調症患者と健康対照者における血清および唾液中のガレクチン3レベルの比較を行った。Journal of the College of Physicians and Surgeons Pakistan誌2024年2月号の報告。
2022年9月~2023年5月に、Islamic International Medical CollegeとBenazir Bhutto Hospitalの精神医学研究所と共同で横断的研究を実施した。対象は、統合失調症患者30例および年齢性別がマッチした健康対照者30例。統合失調症の診断は、DSM-Vの診断基準に従った。対象者から無刺激で口腔内全体から唾液を摂取するため、唾液を吐きだす方法により収集した。EDTAチューブを用いて血液サンプルを収集し、統合失調症患者の唾液および血清中のガレクチン3レベルを測定した。ガレクチン3の検出にはELISA法を用いた。独立サンプルのt検定およびピアソン相関分析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・統合失調症患者の唾液中の平均ガレクチン3レベルは、健康対照者と比較し、有意に高かった(1,324±74ng/mL vs. 68.4±336ng/mL、p<0.001)。
・統合失調症患者の唾液および血清中のガレクチン3レベルには正の相関が認められた(p=0.03)。
著者らは「統合失調症患者の唾液中ガレクチン3レベルは上昇しており、血清中レベルとの正の相関が確認されたことから、統合失調症の診断確定に、唾液中ガレクチン3レベル測定が有用な指標となりえる可能性が示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)
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