デュルバルマブ+化学療法による1次治療とデュルバルマブ+オラパリブの維持療法の組み合わせは、進行子宮体がんに対する全生存期間(OS)の延長など有効性を示した。
ベルギー・Cliniques大学のJean-Francois Baurain氏が米国婦人科腫瘍学会(SGO2024)で発表した進行・再発子宮体がんに対する上記レジメンの第III相試験DUO-Eの副次評価項目の結果である。
・対象:未治療の進行StageIII/IV(FIGO2009)または再発子宮体がん
・試験群1: 化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル:CP)+デュルバルマブ→デュルバルマブ(CP+D群)
・試験群2:CP+デュルバルマブ→デュルバルマブ+オラパリブ(CP+D+O群)
・対照群:CP→プラセボ(CP群)
・評価項目:
[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]OS、最初の後治療までの時間(TFST)、PFS2、2回目の後治療までの時間(TSST)、安全性
主な結果は以下のとおり。
[ITT集団]
・OS中央値はCP群25.9ヵ月に対し、CP+D群では未到達(対CP群HR:0.77、95%信頼区間[CI]:0.56〜1.07、p=0.102)、CP+D+O群でも未到達(対CP群HR:0.59、95%CI:0.42〜0.83、p=0.003)とCP+D+O群で有意に改善した。
・TFST中央値はCP群11.1ヵ月に対し、CP+D群では14.0ヵ月(対CP群HR:0.72、95%CI:0.57〜0.91)、CP+D+O群では21.4ヵ月(対CP群HR:0.50、95%CI:0.39〜0.64)であった。
・PFS2中央値はCP群19.1ヵ月に対し、CP+D群では22.2ヵ月(対CP群HR:0.80、95%CI:0.59〜1.07)、CP+D+O群では未到達(対CP群HR:0.55、95%CI:0.40〜0.76)であったた。
・TSST中央値はCP群23.9ヵ月に対し、CP+D群では未到達(対CP群HR:0.77、95%CI:0.57〜1.05)、CP+D+O群でも未到達(対CP群HR:0.57、95%CI:0.40〜0.78)であった。
[dMMR集団]
・OS中央値はCP群23.7ヵ月に対し、CP+D群では未到達(対CP群HR:0.34、95%CI:0.13〜0.79)、CP+D+O群でも未到達(対CP群HR:028、95%CI:0.10〜0.68)であった。
・TFST中央値はCP群8.8ヵ月に対し、CP+D群では未到達(対CP群HR:0.44、95%CI:0.23〜0.82)、CP+D+O群では未到達(対CP群HR:0.26、95%CI:0.12〜0.52)であった。
・PFS2中央値はCP群15.2ヵ月に対し、CP+D群では未到達(対CP群HR:0.32、95%CI:0.14〜0.68)、CP+D+O群でも未到達(対CP群HR:0.19、95%CI:0.07〜0.46)であったた。
・TSST中央値はCP群16.9ヵ月に対し、CP+D群では未到達(対CP群HR:0.34、95%CI:0.15〜0.73)、CP+D+O群でも未到達(対CP群HR:0.22、95%CI:0.08〜0.52)であった。
[ミスマッチ修復機能正常(pMMR)集団]
・OS中央値はCP群25.9ヵ月に対し、CP+D群では未到達(対CP群HR:0.91、95%CI:0.64〜1.30)、CP+D+O群でも未到達(対CP群HR:069、95%CI:0.47〜1.00)であった。
・TFST中央値はCP群11.7ヵ月に対し、CP+D群では12.9ヵ月(対CP群HR:0.80、95%CI:0.62〜1.03)、CP+D+O群では19.1ヵ月(対CP群HR:0.56、95%CI:0.43〜0.73)であった。
・PFS2中央値はCP群19.5ヵ月に対し、CP+D群では20.4ヵ月(対CP群HR:0.97、95%CI:0.70〜1.33)、CP+D+O群では未到達(対CP群HR:0.68、95%CI:0.48〜0.95)であった。
・TSST中央値はCP群25.1ヵ月に対し、CP+D群では未到達(対CP群HR:0.93、95%CI:0.65〜1.29)、CP+D+O群でも未到達(対CP群HR:0.68、95%CI:0.47〜.0.97)であった。
Baurain氏は、この試験結果はCP+D群、CP+D+O群を進行子宮体がんに対する新たな治療選択肢として支持するものだとの見解を示した。
(ケアネット 細田 雅之)