レビー小体型認知症、受診診療科により治療ニーズが異なる

大阪大学の池田 学氏らは、レビー小体型認知症(DLB)患者とその介護者の治療ニーズおよびその治療ニーズに対する主治医の認識が、患者が受診している診療科により異なるかを調査した。Alzheimer's Research & Therapy誌2024年3月14日号の報告。
多施設共同横断的観察調査研究のサブ解析を実施した。患者が受診している診療科に応じて、精神科群、老年内科群、神経内科群に分類した。患者と介護者の治療ニーズを「最も苦痛を感じている症状」と定義し、それぞれの回答頻度をまとめた。
主な結果は以下のとおり。
・サブ解析には、精神科群134例、老年内科群65例、神経内科群49例の患者および介護者のペアが含まれた。
・3群間で統計学的に有意な差が認められた項目は、次のとおりであった。
●年齢などの患者特性
●初期症状ドメイン
●コリンエステラーゼ阻害薬、レボドパ、抗精神病薬、抑肝散の使用
●ミニメンタルステート検査(MMSE)、Neuropsychiatric Inventory-12(NPI-12)、MDS-UPDRS Part IIおよびIIIの合計スコア
・3群間で患者の治療ニーズに違いは認められなかったが、残留分析において、神経内科群では、パーキンソニズムが他の症状よりも問題であることが示唆された(p=0.001)。
・3群間で介護者の治療ニーズに有意な差が認められた(p<0.001)。
・患者に最も苦痛を与えた症状について、患者と主治医の一致率は、精神科群で42.9%(κ=0.264)、老年内科群で33.3%(κ=0.135)、神経内科群で67.6%(κ=0.484)であった。
・介護者に最も苦痛を与えた症状について、介護者と主治医の一致率は、精神科群で
54.8%(κ=0.351)、老年内科群で50.0%(κ=0.244)、神経内科群で 47.4%(κ=0.170)であった。
著者らは「DLB患者とその介護者の治療ニーズは、受診している診療科により異なることが示唆された。主治医は、専門分野に関係なく、このようなニーズに対する治療の必要性を認識していない可能性がある」としている。
(鷹野 敦夫)
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