アストラゼネカは2024年4月23日付のプレスリリースで、第III相TOPAZ-1試験の最新の探索的結果にて、デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)と標準治療である化学療法の併用療法により、進行胆道がん患者において3年経過時点の臨床的に意義のある長期の全生存期間(OS)ベネフィットが示されたことを発表した。
本結果は、進行胆道がんにおける第III相無作為化国際多施設共同試験で報告された最も長期にわたるOSの追跡調査結果であり、4月18日に2024年胆管がん財団会議(米国、ユタ州ソルトレークシティ)で発表された。
3年経過時点(追跡期間中央値41.3ヵ月)で、デュルバルマブ+化学療法の併用療法は化学療法単独と比較して、死亡リスクを26%低下させたことが示された(ハザード比[HR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.63~0.87)。OSの中央値は、併用療法の12.9ヵ月に対し、化学療法単独では11.3ヵ月。デュルバルマブを含むレジメンでは、3年経過時点で生存した患者の割合は、化学療法単独の2倍以上だった(14.6% vs.6.9%)。
TOPAZ-1試験においては、予定されていた中間解析で、2021年10月に主要評価項目であるOSの延長を達成し、併用療法は化学療法単独と比較して死亡リスクを20%低下させたことが示された(HR:0.80、95%CI:0.66~0.97、両側p値=0.021、本中間解析の統計的有意水準=0.03)。
デュルバルマブ+化学療法の併用療法の忍容性は引き続き良好であり、より長期間の追跡調査で新たな安全性上の懸念は認められなかった。デュルバルマブ+化学療法併用群の15.4%に治療関連の重篤な有害事象がみられたのに対し、化学療法単独群では17.3%であった。
韓国・ソウル国立大学病院の内科腫瘍専門医およびソウル国立大学医学部の教授で、本試験の治験責任医師であるDo-Youn Oh氏は次のように述べている。「TOPAZ-1試験の最新データでは、デュルバルマブと化学療法併用群において3年経過時点で化学療法単独群と比較して2倍の進行胆道がん患者が生存しており、これまで予後が悪かったこの疾患において、とくに意義ある進歩を示している。これらの結果は、この深刻な疾患の患者に対する標準治療としての、この免疫療法に基づく併用療法の長期的なベネフィットを裏付けている。」
(ケアネット 木村 まゆみ)