うつ病に対するアリピプラゾール補助療法の有用性~bupropionとの比較

治療抵抗性うつ病またはうつ病患者におけるアリピプラゾールまたはbupropionの補助療法および切り替えの有効性および安全性を評価するため、中国・山東中医薬大学のMengjia Ji氏らは、ランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を初めて実施した。PLOS ONE誌2024年4月26日号の報告。
2023年4月までに公表された治療抵抗性うつ病、またはうつ病患者に対するアリピプラゾールまたはbupropionの補助療法、および切り替えの有効性および安全性を評価したRCTをPubMed、Embase、Web of Science、Cochraneよりシステマティックに検索した。アウトカムは、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)、治療反応率、寛解率、重篤な有害事象の変化とした。
主な結果は以下のとおり。
・5件のRCTより4,480例をメタ解析に含めた。
・2件のRCTの品質は、非盲検であるため、3つの側面(割り当て不明、参加者および研究員の盲検化、アウトカム評価の盲検化)より「高リスク」と評価され、残りの3件のRCTは「低リスク」であった。
・アリピプラゾール補助療法は、bupropion補助療法と比較し、治療反応率が有意に高かった(RR:1.15、95%信頼区間[CI]:1.05〜1.25、p=0.0007、I2=23%)。
・アリピプラゾール補助療法は、bupropion切り替え療法と比較し、寛解率が有意に高かった(RR:1.22、95%CI:1.00〜1.49、p=0.05、I2=59%)。
・bupropion補助療法は、bupropion切り替え療法と比較し、寛解率が有意に高かった(RR:1.20、95%CI:1.06〜1.36、p=0.0004、I2=0%)。
・アリピプラゾール補助療法とbupropion補助療法で、寛解率(RR:1.05、95%CI:0.94〜1.17、P=0.42、I2=33%)、MADRS改善率(WMD:-2.07、95%CI:-5.84〜1.70、P=0.28、I2=70%)は、有意差が認められなかった。
・有害事象および重篤な有害事象は、3つの治療戦略で有意な差が認められなかった。
著者らは、「治療抵抗性うつ病またはうつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法は、bupropionの補助療法および切り替え療法よりも有用な抗うつ治療戦略である可能性がある。アリピプラゾールまたはbupropionの補助療法および切り替えの有効性および安全性をさらに評価するためにも、より大規模な多施設共同二重盲検RCTが求められる」としている。
(鷹野 敦夫)
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