前治療歴のあるKRAS G12C変異を有する転移大腸がん患者に対するソトラシブ+パニツムマブの有用性を検証するCodeBreaK 300試験。昨年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)では、本レジメンが医師選択化学療法群と比較して無増悪生存期間(PFS)を延長したことが報告されている。米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)では、米国・City of Hope Comprehensive Cancer CenterのMarwan Fakih氏が、全生存期間(OS)データを含む本試験の最終解析結果を発表した。
・試験デザイン:国際共同第III相非盲検無作為化比較試験
・対象:化学療法抵抗性KRAS G12C変異を有する転移大腸がん患者、PS 0~2
・試験群1:ソトラシブ960mgを1日1回+パニツムマブ6mg/kg(ソトラシブ960mg群)53例
・試験群2:ソトラシブ240mgを1日1回+パニツムマブ6mg/kg(ソトラシブ240mg群)53例
・対照群:治験責任医師が選択したTAS-102またはレゴラフェニブ(選択治療群)54例
・評価項目:
[主要評価項目]PFS
[副次評価項目]OS、奏効率(ORR)
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値13.6ヵ月時点で82例が死亡した(ソトラシブ960mg群24例、ソトラシブ240mg群28例、選択治療群30例)。
・OS中央値はソトラシブ960mg群で推定不能(95%信頼区間[CI]:8.6~推定不能)、ソトラシブ240mg群で11.9ヵ月(7.5~推定不能)、選択治療群で10.3ヵ月(7.0~推定不能)だった。
・ソトラシブ960mg群の選択治療群に対するハザード比(HR)は0.70(95%CI:0.41~1.18)、ソトラシブ240mg群の選択治療群に対するHRは0.83(0.49~1.39)であった。
・アップデートされたORRは、ソトラシブ960mg群30.2%、ソトラシブ240mg群7.5%、選択治療群1.9%だった。
・奏効期間(DOR)中央値は、ソトラシブ960mg群10.1ヵ月、ほか2群は未達だった。
Fakih氏は「本試験においてOSは有意差を検出できなかったものの、ソトラシブ960mg群はOSが改善する傾向が示された。PFSおよびORRとともに、これらの結果は化学療法抵抗性KRAS G12C変異転移大腸がんに対するソトラシブ960mg+パニツムマブの使用を支持するものである」とした。
(ケアネット 杉崎 真名)