分散型治験スタート、説明・同意もオンラインで/アムジェン・MICIN・聖マリアンナ医大

提供元:ケアネット

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公開日:2024/07/08

 

 オンライン診療等を手掛けるMICINとアムジェン、聖マリアンナ医科大学病院は、分散型臨床試験(DCT)で協業している。6月、MICINが提供するDCTプラットフォーム「MiROHA(ミロハ)」の「eConsent」(オンライン同意システム機能)を使用し、初めて遠隔で患者への治験の説明を行い、参加同意を得たことを発表した。

 がんの治験は、実施する医療機関ががんセンターや大学病院など中核病院に限られ、通院の負担から遠方の患者が参加できない、という問題があった。今回「MiROHA」を使用するのは、アムジェンが実施する未治療の進行がんに対する企業治験。発現頻度が低いバイオマーカーを対象としているため対象患者の絶対数が少なく、スクリーニングでの脱落率も高いことが予想されるため、広いエリアから患者を集める必要がある。DCTシステムで治験実施医療機関と関連病院をつなぎ、遠隔でインフォームド・コンセントを実施。患者は治験実施医療機関を直接受診することなく、紹介元の病院にいながら治験の説明を受け、参加同意までオンラインで行うことができるようになった。

 この取り組みを主導するメンバーの1人である聖マリアンナ医科大学病院 腫瘍内科部長/腫瘍センター長の砂川 優氏は「今回、静岡医療センターが聖マリアンナ医科大学病院のパートナー施設となり、治験候補の患者さんを紹介いただいた。企業治験における説明・同意を、オンラインで行った日本初の例となった。さらに別のパートナー施設でも患者登録が進んでいる。DCTを活用した治験によって住んでいる地域にかかわらず、適切な患者さんが治験の情報を知り、参加できるようになる可能性がある。治験登録が早く進み、有効な薬剤をいち早く多くの患者さんへ届けることにつながることを期待している」とコメントを寄せた。

(ケアネット 杉崎 真名)