バスケットボールは、わが国でも漫画の影響やBリーグの活躍で非常に人気の高い球技であり、パリ・オリンピック2024でも注目されている競技である。そんなバスケットボールは、身体接触も多く、選手の怪我も多いスポーツである。
では、バスケットボールの選手は、どのような傷害をよくするのか。セルビアのPristina-Kosovska Mitrovica大学体育・スポーツ学部のNikola Aksovic氏らの研究グループは、さまざまな文献を基にシステマティックレビューを行った。その結果、選手は膝と足首を傷害する頻度が高いことが判明した。Life誌2024年7月19日号の報告。
シューティングガードのポジションは負傷率高め
研究グループは、バスケットボール選手のスポーツ傷害に関し性別、場所、スポーツ、コート上の位置によるスポーツ傷害の違いを説明する目的で利用可能な関連データを収集した。
研究方法としては、1990~2024年までのPubMed、MEDLINE、ERIC、Google Scholar、ScienceDirectの論文について、データベースを用いデジタル検索を行い、解析した。
主な結果は以下のとおり。
・男女共に最も頻度の高い重度傷害は膝と足首の傷害だった。
・最も頻度の高い傷害形態は足首の捻挫と靭帯の損傷だった。
・最も頻度の高い傷害はランニング中とボールとの接触後に起こっていた。
・ポジション別では、シューティングガードの負傷率が最も高く、次にセンター、ポイントガードであり、ガードは内転筋の負傷率が最も高いという結果だった。
これらの結果から研究グループは、「バスケットボール選手には足首と膝のケガが多く、とくに足首の捻挫が多い。膝の損傷は、膝前十字靱帯(ACL)損傷を含め、女子バスケットボール選手に多い。ジャンプ、着地、急激な方向転換、試合中の身体への負荷など、さまざまな要因が傷害の原因となっていることが明らかになった」としている。
(ケアネット 稲川 進)