ファイザーおよびビオンテックは2024年8月8日付のプレスリリースにて、生後6ヵ月以上を対象とした新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株JN.1系統対応の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて、日本での製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。
両社は2024年6月10日、オミクロン株JN.1系統のスパイクタンパク質をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)を含む1価ワクチンについて厚生労働省に承認事項一部変更を申請しており、今回、以下の製剤が承認された。
・コミナティ筋注シリンジ 12歳以上用(プレフィルドシリンジ製剤で希釈不要)
・コミナティRTU筋注5~11歳用 1人用(バイアル製剤で希釈不要)
・コミナティ筋注6ヵ月~4歳用 3人用(バイアル製剤で要希釈)
上記申請は、品質に係るデータに加え、本ワクチンが両社のオミクロン株XBB.1.5系統対応COVID-19ワクチンに比べ、JN.1およびKP.2、KP.3を含むその亜系統に対しても優れた免疫反応を示した非臨床データに基づいている。
2024年5月29日に開催された「第2回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの製造株について検討する小委員会」では、2024/2025シーズン向けの新型コロナウイルス感染症ワクチンの抗原組成について、JN.1系統が選択されている1)。
また、諸外国の動向として、英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は7月24日に、ファイザー・ビオンテックのJN.1対応ワクチンを承認している2)。一方米国では、2024年秋から使用する新型コロナワクチンについて、6月13日の米国食品医薬品局(FDA)の発表によると、可能であればJN.1系統のKP.2株を使用することをワクチン製造業者へ提案しているという3)。
(ケアネット 古賀 公子)