日本における低気圧誘発性頭痛に関する性差

提供元:ケアネット

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公開日:2024/08/21

 

 片頭痛は、女性に多い疾患である。低気圧は、頭痛発症の因子であるが、性別により違いがあるかは確認されていない。慶應義塾大学のTakuma Fujimoto氏らは、低気圧誘発性頭痛の性差について、調査を行った。BMC Research Notes誌2024年7月23日号の報告。

 対象は、調査会社(マクロミル)のWebパネルよりランダムに抽出された20〜49歳の慢性片頭痛および緊張型頭痛患者。対象患者は、Webベースの自己記入式アンケートに回答した。目標変数をHeadache Impact Test-6(HIT-6)の高スコア(56以上)または低気圧誘発性頭痛とし、ロジスティック回帰分析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者数は、女性332例、男性337例であった。
・HIT-6高スコアは、頭痛発症時年齢が20歳以下、低気圧誘発性頭痛との関連が認められた。
【頭痛発症時年齢が20歳以下】オッズ比(OR):1.85、95%信頼区間(CI):1.15〜2.99、p=0.012
【低気圧誘発性頭痛】OR:2.11、95%CI:1.51〜2.94、p<0.001
・低気圧誘発性頭痛は、女性と有意な関連が認められた(OR:2.92、95%CI:2.12〜4.02、p<0.001)。

 著者らは「低気圧誘発性頭痛には、性差が認められた。このことからも、性別に特化した頭痛への治療アプローチが必要である可能性が示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)