大規模な国際症例対照研究であるINTERSTROKE研究で、コーヒー、紅茶、緑茶などの摂取量と脳卒中の関連を検討したところ、コーヒーを多量摂取(1日5杯以上)する人は脳卒中全体と脳梗塞のリスクが高く、逆に緑茶を摂取する人ではこれらのリスクが低かったという。カナダ・McMaster University and Hamilton Health SciencesのAndrew Smyth氏らがInternational Journal of Cancer誌オンライン版2024年6月18日号で報告した。
INTERSTROKE研究はすでに発表されている国際症例対照研究で、2007 年 3 月~ 2015 年 7 月に32ヵ国 142施設から初回脳卒中症例を募集し、対照は脳卒中既往歴のない人を性別・年齢でマッチングした。本研究では、参加者にコーヒー、紅茶、緑茶、その他のお茶を「1日何杯飲むか?」と質問し、「まったく飲まない」「1~2杯」「3~4杯」「5杯以上」に分類した(症例では脳卒中発症前の摂取量)。各飲料の摂取量と脳卒中(脳梗塞または脳出血)との関連について、多変量条件付きロジスティック回帰を用いて、「まったく飲まない」人を基準にオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定した。
主な結果は以下のとおり。
・症例1万3,462例および対照1万3,488例で、平均年齢は61.7歳、男性は59.6%だった。
・コーヒーは、1日摂取量が1~2杯もしくは3~4杯の人では脳卒中との関連はみられなかったが、5杯以上の人は、脳卒中全体(OR:1.37、95%CI:1.06~1.77)および脳梗塞(OR:1.32、95%CI:1.00~1.74)のオッズが高かった。
・緑茶は、3~4杯の人における脳卒中全体(OR:0.73、95%CI:0.57~0.93)および脳梗塞(OR:0.75、95%CI:0.57~0.99)、また5杯以上の人における脳卒中全体(OR:0.70、95%CI:0.54~0.90)および脳梗塞(OR:0.69、95%CI:0.52~0.91)のオッズが低かった。
・お茶全体(紅茶、緑茶、その他のお茶)では、1~2杯、3~4杯、5杯以上のすべてのカテゴリーにおいて脳卒中全体および脳梗塞のオッズが低かった(5杯以上での脳卒中全体のOR:0.81、脳梗塞のOR:0.81)。
今回の結果から著者らは、1日5杯以上のコーヒー摂取を避けることを検討するよう提案している。
(ケアネット 金沢 浩子)