脂肪性肝疾患の日本語病名が決定/日本消化器病学会・日本肝臓学会

提供元:ケアネット

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公開日:2024/08/26

 

 日本消化器病学会と日本肝臓学会は8月22日、NAFLD/ NASHに変わる新たな分類法での日本語病名を公表した。

<日本語病名>
・Steatotic Liver Disease(SLD):脂肪性肝疾患
・Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease(MASLD):代謝機能障害関連脂肪性肝疾患
・Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis(MASH):代謝機能障害関連脂肪肝炎
・Alcohol Associated (Related) Liver Disease(ALD):アルコール関連肝疾患
・MetALD:代謝機能障害アルコール関連肝疾患
・Cryptogenic Steatotic Liver Disease:成因不明脂肪性肝疾患
・Specific Aetiology Steatotic Liver Disease:特定成因脂肪性肝疾患

 2023年6月24日に欧州肝臓学会が米国肝臓病学会、ラテンアメリカ肝疾患研究協会と合同で、病名によるスティグマ(偏見・差別)を解消する目的でNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)や NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の病名と分類法を変更することを発表1)。これを受け、日本消化器病学会と日本肝臓学会が賛同し今回の変更に至った。病名変更自体は同年9月29日に両学会のホームページで発表していたが、適切な日本語病名の決定のために、日本消化器病学会のNAFLD/NASH診療ガイドライン作成委員会と日本肝臓学会の企画広報委員会が合同で議論を続けていた。

 ただし、MASLD、MetALD、ALDの診断に際して利用する心血管イベントのリスク因子基準およびアルコール摂取量に関しては、本邦におけるメタボリックシンドロームないしアルコール性肝障害の基準とは異なる部分があるという。その整合性についてNAFLD/NASH診療ガイドライン作成委員会などが検討を継続していくため、現段階で分類のための診断基準は明らかにされていない。

(ケアネット 土井 舞子)