厚生労働省は8月27日、ミロガバリン、ペマフィブラートなどの添付文書について、「重大な副作用」の新設などに伴い、使用上の注意改訂指示を発出した。
タリージェ「腎機能障害」、パルモディア「肝機能障害、黄疸」が重大な副作用に追加
神経障害性疼痛治療薬であるミロガバリンベシル酸塩(商品名:タリージェ、タリージェOD)の重大な副作用として、新たに「腎機能障害」が新設された。これは、MID-NET(R)を用いた腎機能検査値異常リスクに関する調査結果の概要
1,2)、市販後の腎機能障害関連症例および同作用機序を有する薬剤の国内外の注意喚起状況を踏まえ、当該リスクがあると判断されたためである。
◯腎機能障害関連症例
*†の国内症例の集積状況【転帰死亡症例】
26例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例3例)【死亡3例(うち、医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例0例)】
*:医薬品医療機器総合機構における副作用等報告データベースに登録された症例
†:以下の条件にて抽出した症例
・MedDRA ver.27.0 SMQ「急性腎不全」(広域)またはSOC「腎および尿路障害」に該当する症例
・本剤投与期間の記載がある症例
・本剤投与開始後の血清クレアチニン値が男性1.07mg/dL、女性0.79mg/dL以上、GFR推定値/クレアチニンクリアランスが90mL/min/1.73m2未満、蛋白尿2+または尿蛋白/クレアチニン比>0.5(有害事象共通用語規準[CTCAE] ver.5.0のGrade1相当以上)に該当する症例
高脂血症治療薬のペマフィブラート(同:パルモディア、パルモディアXR)については、肝機能障害関連の症例を評価し、症例の因果関係評価および使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見を聴取。その結果、本剤と肝機能障害との因果関係が否定できない症例が集積し、当該症例に黄疸を認める症例が含まれていることから、使用上の注意を改訂し、「肝機能障害、黄疸」を追記することが適切と判断された。
◯肝機能障害関連
*†の国内症例の集積状況【転帰死亡症例】
25例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例9例。当該9例のうち3例は黄疸も認めた症例)【死亡0例】
*:医薬品医療機器総合機構における副作用等報告データベースに登録された症例
†:MedDRA ver.27.0 SMQ「薬剤に関連する肝障害-包括的検索(SMQ)」で抽出した症例のうち、CTCAE ver.5.0 Grade3以上に該当する症例を抽出
このほかに、パイナップル茎搾汁精製物(同:ネキソブリッド)には「適用部位出血」が、イオジキサノール(同:ビジパーク)には「急性汎発性発疹性膿疱症」が新たに重大な副作用として追加された。
(ケアネット 土井 舞子)