早期初潮とうつ病との関連におけるエビデンスには、一貫性がない。中国・北京師範大学のLing Jiang氏らは、早期初潮とうつ病との関連性を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2024年10月9日号の報告。
2024年6月17日までに公表された研究を複数のデータベースより検索した。プールされたエフェクトサイズを算出するため、ランダム効果モデルを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・22研究、8万7,798例をメタ解析に含めた。
・22研究のNewcastle-Ottawa Scale(NOS)スコアの範囲は4〜8、中央値は6。
・早期初潮群は、非早期初潮群と比較し、うつ病スコア(標準平均差:0.13、95%信頼区間[CI]:0.04〜0.21)、うつ病発症率(オッズ比:1.37、95%CI:1.23〜1.52)が有意に高かった。
・ただし、中程度の異質性が認められた(うつ病スコア:I2=54%、p=0.03、うつ病発症率:I2=61%、p=0.001)
・サブグループ解析では、うつ病スコアと研究の種類(コホート研究:I2=57%、p=0.071、ケースコントロール研究:I2=61%、p=0.051)および研究の質(6以上:I2=58%、p=0.065、6未満:I2=62%、p=0.052)との有意な関連が認められた。
著者らは「早期初潮とうつ病との関連が明らかとなった。両親、学校、医療者は、より早期に初潮を迎えた女児のメンタルヘルスを注意深くモニタリングする必要がある」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)