アストラゼネカは、2024年12月27日、アカラブルチニブのフィルムコーティング錠(商品名:カルケンス錠)が、成人慢性リンパ性白血病(CLL)(小リンパ球性リンパ腫[SLL]を含む)患者を対象とした治療薬として、製造販売承認を取得したと発表。
同承認は、消化管のpH条件にかかわらず薬物がすべて溶出するように改善した溶解性プロファイルを有するアカラブルチニブのフィルムコーティング錠に対するもので、海外の健康被験者を対象に行ったD8223C00013試験の結果に基づくものである。
既存のアカラブルチニブカプセルは、pH4を超える条件下では溶解性が低いことに関連して、国内添付文書では、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、H2受容体拮抗薬および制酸薬とは併用注意となっていた。しかし、血液がん患者の20〜40%は、胃内pHを変化させる薬剤の投与を受けていると推定されており、同カプセル剤の使用は制限されていた。
今回の承認で錠剤が胃酸分泌抑制薬とともに服用できるようになり、アカラブルチニブの服薬レジメンの簡素化が期待できるという。
・製品名:カルケンス錠100mg
・一般名:アカラブルチニブマレイン酸塩水和物
・効能又は効果:慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)
・用法及び用量:通常、成人にはアカラブルチニブとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(ケアネット 細田 雅之)