朝食の習慣や質と抑うつ症状との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2025/02/27

 

 朝食は、1日で最も重要な食事とみなされることが多く、身体的および精神的健康に影響を与えると考えられる。多くの研究では、朝食を抜くことがうつ病に及ぼす影響に焦点が当てられているが、朝食の質や朝食時間について調査した研究はほとんどない。中国・西安交通大学のMengzi Sun氏らは、朝食習慣および朝食の質と抑うつ症状との関連性を調査した。Journal of Affective Disorders誌2025年4月15日号の報告。

 対象は、2007〜18年の全国健康栄養調査(NHANES)の20歳以上の参加者2万3,839人。朝食習慣は、24時間食事回想法を2回実施して評価した。朝食摂取の有無とその時間を記録した。朝食の質を評価するため、朝食の質スコア(BQS)を算出した。抑うつ症状の評価には、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いた。関連性の評価には、バイナリロジスティック回帰を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・抑うつ症状のオッズ比(OR)は、朝食を想起しなかった人と比較し、1回想起した人で0.737(95%信頼区間[CI]:0.591〜0.919)、2回想起した人で0.766(95%CI:0.624〜0.939)であった。
・朝食の質に対する抑うつ症状のORは、朝食の質が低い(BQS T1)群と比較し、朝食の質が中程度(BQS T2)群で0.895(95%CI:0.723〜1.108)、朝食の質が高い(BQS T3)群で0.716(95%CI:0.564〜0.908)であった(p for trend=0.013)。
・朝食摂取時間に対する抑うつ症状のORは、午前8時より前に朝食を摂取した人と比較し、午前8〜9時に朝食を取った人で1.104(95%CI:0.888〜1.371)、午前9時以降に朝食を摂取した人で1.278(95%CI:1.030〜1.587)であった。

 著者らは「朝食を抜くこと、朝食の質が低いこと、朝食摂取時間が遅いことは、抑うつ症状と独立して関連している」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)