健康に良く地球に優しい食事スタイルのランキング

提供元:HealthDay News

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公開日:2023/04/18

 

 今日、ステーキを食べようかと思っているなら、魚や野菜中心の料理に変更した方が、あなたの健康だけでなく、地球環境にも良い結果につながる可能性のあることを示すデータが報告された。米テュレーン大学のDonald Rose氏らの研究によるもので、詳細は「The American Journal of Clinical Nutrition」に3月1日掲載された。

 Rose氏らは、「食事の質」と「二酸化炭素排出量」という二つの視点から、さまざまな食事スタイルのランク付けを実施。その結果、肉食でない食事スタイルの方が、両方の点で優れていることが分かった。同氏によると、これまでにも菜食の方が二酸化炭素排出量の少ないことは報告されているという。ただし、それらの研究は、研究参加者自身がベジタリアンであることを申告している人を対象としたものが多く、そのように自分の食事スタイルを意識していない大半の人が摂取している食べ物と二酸化炭素排出量の関連は、あまり研究されていなかったとのことだ。そこでRose氏らは、多くの一般住民を対象に行われている米国の国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた検討を行った。

 2005~2010年のNHANESで、24時間思い出し法により食物摂取状況が把握されていた成人1万6,412人を、食事スタイルにより6群に分類。各群の該当者数は以下のとおり。ベジタリアン(肉や魚を摂取しない菜食主義)は1,179人(7.5%)、ペスカタリアン(肉は摂取しないが魚は摂取する菜食主義)は778人(4.7%)、ビーガン(卵や乳製品も摂取しない完全菜食主義)は141人(0.7%)、ケトジェニック食(炭水化物50g/日以下)は77人(0.4%)、パレオ食(旧石器時代食)は62人(0.3%)で、他の1万4,175人(86.3%)は雑食。食事の質の評価には、健康食指数(HEIスコア)を用いた。HEIスコアは0~100点で評価され、米国の食事ガイドラインを遵守しているほど高得点になる。

 解析の結果、HEIスコアが最も高いと判定されたのは、ペスカタリアンであり58.76点、次いでベジタリアンが51.89点、ビーガンが51.65点、雑食が48.92点、パレオ食が45.03点であり、ケトジェニック食は43.69点と6群の中で最低だった。1,000kcal当たりの二酸化炭素排出量(kgCO2-eq/1,000kcal)が最も少ないのは、ビーガンの0.69、次いでベジタリアンが1.16、ペスカタリアン1.66であり、これ以降はHEIスコアの下位3群と同順で、雑食が2.23、パレオ食が2.62であり、ケトジェニック食は2.91点と6群の中で最大だった。

 米国の栄養と食事のアカデミーのDebbie Petitpain氏は、この研究報告について、「人々の健康に良い食生活は地球環境にとっても良いことを示している。とはいえ、健康や地球のために、すぐにでも菜食にしなければならないということはない」とコメント。「動物性食品よりも多くの植物性食品を皿に盛り付けたり、魚介類に置き換えたりすることから始めても良いのではないか。また、菜食主義にしたからといって、それだけで確実に健康になるということでもない」と話している。

 Rose氏も、誰もがベジタリアンになる必要があるわけではないとする、Petitpain氏の考え方に同意。今回の研究でも、雑食のカテゴリーに含まれるものの、健康的な食事スタイルとされている地中海食やDASH食(高血圧予防のための食事)は、HEIスコアが高く二酸化炭素排出量が少ないことが示されたという。地中海食やDASH食はどちらも、野菜や果物、精製度の低い穀物、魚介類、良質な不飽和脂肪酸を豊富に含み、加工食品の摂取量が少ないことなどを特徴としている。

[2023年3月6日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら