夕食中心の食事でフレイルリスク上昇

提供元:ケアネット

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公開日:2026/03/18

 

 夕食にエネルギー摂取が偏る高齢者や、朝食と夕食にエネルギー摂取のピークがある高齢者では、朝食・昼食・夕食で均等にエネルギーを摂取する高齢者と比べてフレイルの有病率が高い可能性を、韓国国立保健研究院のHan Byul Jang氏らが示した。Nutrients誌2026年2月22日号掲載の報告。

 高齢者のフレイル予防において食事は重要な要素であるが、これまでの研究は主に総エネルギー摂取量や栄養の質に焦点が当てられてきた。近年、時間栄養学(chrono-nutrition)の観点から食事タイミングの重要性が示唆されているが、1日を通したエネルギー摂取の時間的分布を包括的に検討した研究は限られている。そこで研究グループは、食事の量・質・タイミングが高齢者のフレイルと独立して関連するかどうかを検討するため、横断研究を実施した。

 本研究では、韓国国民健康栄養調査(KNHANES)の2016~18年のデータを用い、65歳以上の成人4,184人(女性57.1%)を解析した。24時間食事想起記録のない参加者、極端なエネルギー摂取量の参加者、フレイル評価に必要な情報が不足している参加者は除外した。

 24時間食事想起記録から1時間単位のエネルギー摂取プロファイルを作成し、総エネルギー摂取量に対する相対分布として標準化した。この時間的エネルギー分布をDynamic Time Warping(DTW)に基づくkernel k-means法でクラスタリングし、5つの食事パターンを同定した。
(1)バランス型:3食で均等にエネルギーを摂取するパターン 1,665例(38.8%)
(2)持続型:3食と午後の補食によって、持続的にエネルギーを摂取するパターン 735例(17.8%)
(3)昼食型:昼食のエネルギー摂取割合が最も高いパターン 737例(18.0%)
(4)夕食型:夕食のエネルギー摂取割合が最も高いパターン 627例(15.2%)
(5)朝・夕型:朝食と夕食にエネルギー摂取のピークがあるパターン 420例(10.2%)

 フレイルは修正版Fried基準により定義し、食事の質は健康食指数(Healthy Eating Index)で評価した。複雑サンプリングデザインを考慮した多変量ロジスティック回帰分析により、時間的食事パターンとフレイルとの関連を解析した。さらに、総エネルギー摂取量および健康食指数が両者の関連を媒介するかどうかについても検討した。

 主な結果は以下のとおり。

●全体の平均年齢は73.1歳で、バランス型(73.6歳)と朝・夕型(74.1歳)が高く、夕食型(71.6歳)が最も低かった。健康食指数は持続型が最も高く、朝・夕型が最も低かった。夕食型は朝食欠食率が最も高く(17.9%)、朝・夕型の半数(51.9%)は昼食を欠食していた。
●夕食型および朝・夕型は、バランス型と比べてフレイルのオッズが有意に高かった。調整オッズ比(aOR)と95%信頼区間(CI)は以下のとおり。
 -夕食型 aOR:1.48、95%CI:1.03~2.10
 -朝・夕型 aOR:1.43、95%CI:1.01~2.03
●持続型および昼食型では、有意な関連は認められなかった。
●フレイルの構成要素別では、持続型はバランス型に比べて筋力低下(weakness)のリスクが有意に低かった。
●媒介分析の結果、夕食型は総エネルギー摂取量が多いことによるフレイル保護効果があったものの、夕食へのエネルギー集中という時間的偏重がその保護効果を打ち消し、独立したフレイルリスクとなる可能性が示唆された。
●朝・夕型では、総エネルギー摂取量の減少や食事の質の低下が、フレイルとの関連の一部を説明する可能性が示された。

 研究グループは、「これらの知見は、総エネルギー摂取量と食事の質に加え、食事のタイミングとエネルギー配分の時間的バランスもフレイル予防に重要であることを示している。また、時間栄養学をフレイルの予防戦略に組み込むことを支持している」とまとめた。

(ケアネット 森)