スクーターによる外傷の発生率は2016年から2020年にかけて上昇し、スクーターによる外傷で小手術を受ける患者が増加したとの研究結果が、「Journal of the American College of Surgeons」に1月9日掲載された。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイヴィッド・ゲフィン医科大学院のNam Yong Cho氏らは、全米入院患者サンプル(NIS)から2016~2020年のデータを用いて、スクーターまたは自転車による外傷で入院した65歳未満の患者を対象に後ろ向きコホート研究を行い、スクーターによる入院の時間的傾向および転帰を自転車と比較した。
研究対象者は合計9万2,815人であり、6.6%がスクーターによる外傷であった。研究期間中、スクーターによる外傷の発生率は上昇し、スクーターによる外傷の重症度は有意に上昇していた。スクーターによる外傷は自転車による外傷と比べ、18歳未満の患者の割合が高く(26.7%対16.4%)、小手術を受ける患者の割合が高かった(55.8%対48.1%)。また、リスク因子を調整した後、スクーターによる外傷は、長管骨骨折および麻痺のリスク上昇と関連していた(自転車による外傷と比較したオッズ比:それぞれ1.40および2.06)。自転車による外傷とスクーターによる外傷で、入院期間および費用は同程度であった。
著者らは、「スクーターの普及とそれに伴う外傷の発生を考慮すると、スクーター利用者の安全基準を高めることが不可欠である」と述べている。
[2024年1月10日/HealthDayNews]Copyright (c) 2024 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら