大豆食品は子どもの知能を高める

提供元:HealthDay News

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公開日:2024/07/30

 

 大豆食品由来のイソフラボンの摂取量が多い学齢期(7〜13歳)の子どもは、摂取量の少ない子どもよりも注意力と思考能力の高いことが、新たな研究で明らかになった。米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のAjla Bristina氏らによるこの研究結果は、米国栄養学会(ASN)年次総会(NUTRITION 2024、6月29日〜7月2日、米シカゴ)で発表された。

 大豆や大豆食品にはイソフラボンが豊富に含まれている。イソフラボンは、成人を対象にした研究では記憶力を向上させることが示されているが、子どもを対象にイソフラボンのベネフィットを検討した研究はあまり実施されていない。また、Bristina氏によると、子どもが日常的に大豆食品を摂取する習慣は米国にはあまりないという。

 Bristina氏らは今回、7〜13歳の子ども128人を対象にした研究のデータを用いて、大豆イソフラボンの潜在的なベネフィットについて調べた。対象者の主要栄養素、微量栄養素、ビタミン類、イソフラボンなどの1日当たりの平均摂取量は、7日間にわたる食事摂取内容の記録を用いて算出された。また、学年で調整した筆記試験により対象者の全般的な知能を評価したほか、フランカー課題と呼ばれる課題をこなす間の脳波(EEG)検査により情報処理速度と注意力を測定した。

 その結果、対象者の大豆食品からのイソフラボン摂取量は平均1.33mgと相対的に低いものの、その中で、摂取量の多かった子どもは少なかった子どもよりも、注意力に関する課題を行っている間の反応速度と情報処理速度が速いことが明らかになった。一方、イソフラボンの摂取と全般的な知能との間に有意な関連は認められなかった。

 Bristina氏は、「われわれの研究は、大豆食品に含まれるイソフラボンが小児期の認知能力にとって重要であることを証明するものだ」と述べている。

 Bristina氏は、「今回のような相関研究は第一歩に過ぎない。大豆食品の摂取が子どもの認知能力に及ぼす影響や、反応時間を早めるために必要なイソフラボンの正確な摂取量を明らかにするためには、介入的アプローチが必要だろう」と述べている。そのために研究グループは、大豆食品が思考能力、性ホルモン、代謝の健康、腸の健康に及ぼす影響を調べる臨床試験を開始したところだという。

 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。

[2024年7月8日/HealthDayNews]Copyright (c) 2024 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら