コロンビア ハベリアナ大学のPablo Aschner氏は、16日、メトホルミン血糖コントロール不十分で、インスリン投与経験のない2型糖尿病における追加併用薬は、DPP-4阻害薬(シタグリプチン)より持効型インスリン (インスリングラルギン)が効果の面で優れており、安全面でも大きな問題がないことをLancet誌に発表した。これは17ヵ国、96施設が参加して実施されたEASIE(Evaluation of Insulin Glargine versus Sitagliptin in Insulin-naive Patients)試験の結果。研究費提供元はサノフィ。[国内での主たる販売名]
メトホルミン・・・メトグルコ
シタグリプチン・・・ジャヌビア、グラクティブ
インスリングラルギン・・・ランタス
メトホルミンを投与してもコントロール不良(HbA1cが7~11%)の、インスリン未治療の2型糖尿病患者(BMI 25~45、35~70歳)が対象となった。対象患者はメトホルミン+インスリングラルギン併用群250例(以下、基礎インスリン併用群)、メトホルミン+シタグリプチン併用群265例(以下、シタグリプチン併用群)のいずれかに無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、治療24週後のHbA1cの変化。
主な結果は、下記のとおり。
1. 治療24週後のHbA1cの低下は、基礎インスリン併用群で有意に大きかった
(基礎インスリン併用群1.72%低下 vs シタグリプチン併用群1.13%低下、
平均差=-0.59%、95%信頼区間=-0.77--0.42、P<0.0001)。
2. HbA1c 7.0%未満達成率は、基礎インスリン併用群で有意に多かった
(68% vs 42%、P<0.0001)。
3. HbA1c 6.5%未満達成率も、基礎インスリン併用群で有意に多かった
(40% vs 17%、P<0.0001)。
4. 低血糖の頻度は基礎インスリン併用群のほうが有意に多かった
(4.21回/患者・年 vs 0.50回/患者・年、P<0.0001)。
重篤な低血糖は3例 vs 1例。
5. 重篤な有害事象は基礎インスリン併用群で15例(6%)、
シタグリプチン併用群で 8例(3%)。
有害事象による治療中止例は2例 vs 4例。
(ケアネット 藤原 健次)