統合失調症患者の社会的認知機能改善に期待「オキシトシン」 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/03/11 統合失調症患者は社会的認知機能(感情認識、他者への共感、パースペクティブテイキングメンタル[相手の立場で考える能力]を含む)が広い範囲で損なわれていることはこれまでの研究で明らかとなっている。最近の研究によると、統合失調症患者における社会的障害にオキシトシン作動性システムが関連しているともいわれている。イスラエル・ハイファ大学のM Fischer-Shofty氏らは、統合失調症患者に対するオキシトシン治療が社会的認知機能を改善するかを検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2013年2月19日号の報告。 対象は統合失調症と診断された患者35例および精神的に問題のない健常者46例。すべての対象患者に、オキシトシン(24IU)またはプラセボの鼻腔内単回投与を1週間間隔で行った。対人的知覚課題(IPT)を用い、「親族関係」「親密さ」を健常者と比較し評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・全体ではすべての参加者において、プラセボ投与時と比較し、オキシトシン投与後に「親密さ」、「親族関係」の判定がより正確であった。 ・健常者と比較し、患者群では「親族関係」の有意な改善が認められた。 ・本研究は、オキシトシン投与により統合失調症患者の社会的認知機能が改善すること、さらに健常者よりも高い治療効果が期待できることが示された最初の研究のひとつである。 関連医療ニュース ・オキシトシン鼻腔内投与は、統合失調症患者の症状を改善 ・認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか? ・統合失調症患者の認知機能や副作用に影響を及ぼす?「遊離トリヨードサイロニン」 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fischer-Shofty M, et al. Schizophr Res. 2013 Feb 19. pii: S0920-9964(13)00044-3. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20)