カリフォルニア、新型インフルの入院・死亡リスクは1歳未満が最大

米国カリフォルニア州の調査によると、新型(A/H1N1)インフルエンザで入院または死亡した割合は、年齢別では1歳未満の乳幼児が最大で、10万人中11.9人に上ることが報告された。入院または死亡した人の年齢中央値は27歳(範囲:1~92歳)と、通常のインフルエンザに比べて低年齢の傾向であることも確認された。米国カリフォルニア州公衆衛生局のJanice K. Louie氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年11月4日号で発表している。
入院患者の7割に、通常インフルエンザ合併症のリスク因子
Louie氏ら研究グループは、カリフォルニア州で2009年4月23日~8月11日にかけて報告された、A/H1N1インフルエンザで入院または死亡した計1,088人について調べた。被験者はすべて、検査によりA/H1N1インフルエンザ感染が確認された。
このうち、68%(741/1,088人)が、通常のインフルエンザ合併症のリスク因子があった。また、胸部X線撮影を行った833人のうち、66%(547/833人)に肺浸潤が認められた。集中治療を要したのは、全体の31%(340/1,088人)だった。
50歳以上死亡率は約20%と高率
入院患者のうち死亡に至った割合は11%(118/1,088人)で、年齢別では50歳以上が18~20%と最も高率だった。最も多い死因は、ウイルス性肺炎と急性呼吸窮迫症候群だった。
また二次的な細菌感染が見られたのは、全体の4%(46/1,088人)だった。
一方、A/H1N1インフルエンザの簡易抗原検査では、偽陰性率が34%(208/618人)に上ることが確認された。
なお、884人中183人(21%)は、抗ウイルス薬を服用していなかった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)
[ 最新ニュース ]

TIA/軽症脳卒中後の脳卒中リスク、10年後でも顕著に増大/JAMA(2025/04/07)

難治性OABへの尿流動態検査、治療アウトカムを改善せず/Lancet(2025/04/07)

FIT大腸がんスクリーニング、返送期限の設定で受検率向上/Lancet(2025/04/07)

起立性高血圧に厳格降圧治療は有効か?/BMJ(2025/04/07)

TIA後の脳卒中リスクは長期間持続する(解説:内山真一郎氏)(2025/04/07)

全般不安症の第1選択薬としてのプレガバリンの可能性〜メタ解析(2025/04/07)

EGFR陽性NSCLCへのCRT後オシメルチニブ、OSアップデート解析(LAURA)/ELCC2025(2025/04/07)

多発性骨髄腫に対する新たな二重特異性抗体テクリスタマブ/J&J(2025/04/07)

25年度専攻医、増えた診療科・減った診療科/専門医機構(2025/04/07)