新規髄膜炎ワクチンMenACWYは乳児にも忍溶性が高い

提供元:ケアネット

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公開日:2008/01/29

 



全米で青少年に推奨される髄膜炎の予防ワクチンは四価複合ワクチン(血清A、C、W、Y)だが、乳児期における免疫原性が十分ではない。この点を改良した新規四価複合ワクチンMenACWYに関して、オックスフォード大学ワクチングループが行った乳児期の免疫原性に関するフェーズ2(無作為化非盲検コントロール試験)の結果が、JAMA誌2008年1月9日号で公表されている。

生後2ヵ月の乳児、英国225例、カナダ196例を対象に




対象は生後2ヵ月の乳児で、英国225例、カナダ196例。期間は2004年8月~2006年9月の間に行われた。

英国の乳児はMenACWYを、2、3、4ヵ月時の計3回接種する群と、2、4ヵ月時の計2回接種群、または単価ワクチン(MenC)を2、4ヵ月時の計2回接種する群の3群に割り付けられた。そして全員12ヵ月時にMenACWY接種を受けている。

カナダの乳児はMenACWYを、2、4、6ヵ月時の計3回接種群と、2、4ヵ月時の計2回接種群に割り付けられた。12ヵ月時には、3回接種群の半数はMenACWYを追加接種、残り半数は追加接種をせず、また2回接種群については半数にMenACWYを接種、残り半数には従来型の四価ワクチンを接種する形で治験が行われた。

主要評価項目は、ヒト血清殺菌活性(hSBA:human complement serum bactericidal activity)力価が、MenACWYを主要に投与した群、および12ヵ月時に追加接種した群で1:4以上となった乳児の割合とされ、安全性と反応性についても評価が行われた。

忍容性高く、免疫原性も十分




治験実施計画書適合解析(per-protocol analysis)の結果、英国乳児MenACWY 3回接種群では、hSBA 力価1:4以上に達した割合は、血清A:93%(95%信頼区間:84%~98%)、C:96%(同89%~99%)、W-135:97%(90%~100%)、Y:94%(86%~98%)。事後解析の結果は、血清CとYの価は不変、A:92%(84%~97%)、W-135:97% (91%~99%)だった。

カナダ乳児MenACWY 3回接種群では、A:81%(71%~89%)、C:98%(92%~100%)、W-135:99%(93%~100%)、Y:98%(92%~100%)。事後解析の結果は、A:83%(74%~89%)、C:98%(93%~99%)、W-135:99%(94%~100%)、Y:98%(92%~99%)で、3回接種群ではいずれも十分な免疫原性が得られた。

2回接種群では、血清C、W-135、Yについては84%以上だったが、血清Aについては60%台。

それでもMenACWYを主要にもしくは追加接種された乳児の少なくとも95%は13ヵ月時点で血清C、W-135、YのhSBA力価1:4以上を達成、Aについての達成率は84%であるとの結果が得られている。

なお接種後疼痛が観察されたのは、英国ではMenACWY 2回接種群で2%、MenC 2回接種群で4%。38℃以上の発熱が観察されたのは、これら接種群でそれぞれ4%、2%。

以上から研究グループは、「MenACWYは乳児に対する忍容性が高く、免疫原性も十分に得られるものだ」と結論付けている。

(武藤まき:医療ライター)