肥満者減量プログラム、プライマリ・ケア提供より商業プログラムのほうが安価で効果大

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2011/12/02

 



肥満者減量プログラムは、プライマリ・ケアベースの特別に訓練を受けたスタッフによるものよりも、商業ベースの体重管理プログラムのほうが、効果が大きく効率的であることが、英国・バーミンガム大学公衆衛生校のKate Jolly氏らによる無作為化試験の結果、報告された。BMJ誌2011年11月19日号(オンライン版2011年11月3日号)掲載報告より。

商業プログラム、プライマリ・ケア提供、薬局提供、自由選択で比較




Jolly氏らは、減量プログラムの有効性について、被験者を8つの試験群のうちの1つに割り付ける無作為化試験を行った。

被験者は、バーミンガムのプライマリ・ケアトラストのかかりつけ医(GP)の記録から同定された、共存症を有する肥満または過体重の男女740例で、12週間の減量プログラムを次のいずれかで受けた。(1)Weight Watchers、(2)Slimming World、(3)Rosemary Conley、(4)集団ベースの食事療法、(5)GPによる個別カウンセリング、(6)薬局での個別カウンセリング、(7)(1)~(6)のいずれか1つ(選択群)、(8)フィットネス無料利用券(比較群)。

主要アウトカムは、プログラム終了の12週時点の体重減少とし、副次アウトカムは、1年時点の体重減少、自己報告の身体活動度、12週時点と1年時点の体重減少の割合とした。

プログラム終了12週時点、1年時点とも商業プログラム適用者の体重減少が有意に大きい




データの追跡が完遂できたのは、12週時点658例(88.9%)、1年時点は522例(70.5%)だった。

すべてのプログラム群で、プログラム終了時点で基線からの有意な体重減少を達成できていた。プライマリ・ケア群が最も少なく1.37kgの体重減、Weight Watchers群が最も大きく4.43kgの体重減を達成していた。また、プライマリ・ケア群と薬局群以外の群は、1年時点でも有意な体重減少を達成できていた。

比較群との比較では、Weight Watchers群だけが、1年時点で有意な体重減少を達成していた(2.5kg減、95%信頼区間:0.8~4.2)。

商業プログラム群は、プライマリ・ケア群と比べて、プログラム終了時点での体重減少が有意に大きかった(平均格差:2.3kg、95%信頼区間:1.3~3.4)。

一方で、プライマリ・ケア群は、プログラム提供コストが最も高かった。

なお自由にプログラムを選んでよい選択群に割り付けられた被験者は、無作為に各プログラムに割り付けられた被験者よりも、アウトカムが不良であった。