早産を経験した女性へのプロゲステロン投与が、再発リスクを低下させることは過去の無作為化試験によって明らかにされている。妊娠中期スクリーニンググループ(Fetal Medicine Foundation Second Trimester Screening Group)のEduardo B. Fonseca氏らは今回、自然早産のリスクが極めて高い妊娠中期に子宮頸管短縮が見られる無症候例について、プロゲステロン投与がリスクを低下させるかどうかを検証した。報告はNEJM誌8月2日号に掲載された。
頸管長15mm以下の413例を無作為割り付け
試験は、まず妊娠期間20~25週(中央値22週)の定期検査を受けるために受診した妊婦24,620例に対して、経腟超音波造影法を用いて子宮頸管長が測定された。
頸管長15mm以下の妊婦は413例(1.7%)存在した。このうち250例(60.5%)に対して、妊娠24週から34週にかけてプロゲステロン200mgを毎晩腟内投与、残りの妊婦にはプラセボを投与するようランダムに割り付けられた。主要評価項目は34週未満の自然分娩。
子宮頸管短縮症による早産の減少に有効
結果は、プロゲステロン投与群はプラセボ群より、自然分娩(34週未満)の頻度が低かった(19.2%対34.4%、相対リスク0.56)。しかしプロゲステロン投与群は、顕著とは言えないものの新生児罹患率の減少との関連が認められた(8.1%対13.8%、相対リスク0.59)。プロゲステロン投与に関連する重篤な有害事象は認められていない。
これらから研究グループは、子宮頸管短縮症と診断された妊婦に対するプロゲステロンの投与は、自然早産のリスクを低下させると結論づけた。
(朝田哲明:医療ライター)