中等症~重症の尋常性乾癬に対して有効性が示されているウステキヌマブ(商品名:ステラーラ)は、活動期の乾癬性関節炎に対しても有効であることが示された。イギリス・グラスゴー大学のIain B McInnes氏らが、第3相多施設共同二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。乾癬患者の多くが乾癬性関節炎を呈し、QOLの低下や死亡率増大が認められるが、ウステキヌマブの第2相試験において、症候性症状の改善およびQOLの改善が報告されていた。Lancet誌オンライン版2013年6月12日号掲載の報告より。
ウステキヌマブ45mg群、同90mg群、プラセボの3群で安全性と有効性を評価
第3相試験では、活動期の乾癬性関節炎に対するウステキヌマブの安全性と有効性を評価することを目的とした。
試験は14ヵ国(ヨーロッパ、北米、環太平洋)104施設から被験者を登録して行われた。適格とされたのは、活動期の乾癬性関節炎(関節のこわばり≧5、腫脹≧5、CRP≧3.0mg/L)を有する成人患者で、無作為に、ウステキヌマブ45mg群、同90mg群、プラセボの3群(0週、4週、その後は12週ごと投与)に割り付けられた。
被験者は16週時点で、こわばりと腫脹の改善が5%未満である場合は、割り付けられている介入群より1段上の群に(プラセボ群なら45mg群へ、45mgなら90mg群へ)組み換えを受けた。また、24週時点でもプラセボ群に割り付けられていた患者は、ウステキヌマブ45mg投与を受け、28週時点で同様の投与を受けたあと12週ごとの投与を受けた。
主要エンドポイントは、24週時点の米国リウマチ学会のRA評価基準による20%以上の改善(ACR20)であった。
ウステキヌマブ両投与群ともプラセボと比較して、ACR20を有意に達成
2009年11月30日~2011年3月30日の間に、615例の被験者が無作為化された。割り付けの内訳は、プラセボ群206例、ウステキヌマブ45mg群205例、同90mg群204例だった。
主要エンドポイント(24週時点のACR20)の達成率は、プラセボ群(47/206例、22.8%)と比べて、45mg群(87/205例、42.4%)、90mg群(101/204例、49.5%)がいずれも有意に大きかった(両比較のp<0.0001)。
同改善の達成率は、52週時点でも維持されていた。
16週時点でみた、有害事象の患者の割合は、ウステキヌマブ群41.8%、プラセボ群42.0%と同程度であった。
以上の結果を踏まえて著者は、ウステキヌマブに適応拡大が認められる可能性があるとまとめている。
(武藤まき:医療ライター)