身近にファストフード店が多いほど肥満になりやすい/BMJ

自宅周辺、職場周辺、通勤経路別に、ピザやバーガーといったいわゆるファストフード店への曝露と、それら食品のテイクアウト消費および体重との関連について調べた結果、用量依存の有意な関連があることが明らかにされた。英国・ケンブリッジ大学医学部のThomas Burgoine氏らが、ケンブリッジシャー州で行った住民ベースの断面調査研究の結果、曝露が大きいほど消費量、体重は増加し、曝露環境別では職場周辺の関連が最も強かったことを報告した。また3つの環境曝露を複合し四分位範囲で分類して評価した結果、最大曝露環境下の人は最小曝露環境下の人と比べて、BMIが相対指数で1.21倍高く、肥満リスクは1.80倍高かったことも示されている。BMJ誌オンライン版2014年3月13日号掲載の報告。
労働者対象に自宅、職場、通勤時のテイクアウト食店曝露と消費、体重の関連を評価
英国では過去10年で、外食費支出が29%増加しているという。テイクアウト食店への曝露と食事や体重への影響についてはこれまでも検討されているが、大半が住宅近隣に焦点が当てられていた。そのためエビデンスは不確かなのだが、健康ダイエットを推進する政策立案者は近年、身近なテイクアウト食利用を減らす取り組みをますます行うようになっていた。そこで研究グループはあらためて同関連を自宅、職場、通勤経路別に調べるため、ケンブリッジシャーで行われたFenland研究に参加した成人労働者(5,442例、29~62歳)を対象に調査を行った。
参加者から自宅、職場住所と通勤経路を提示してもらい、テイクアウト食店曝露を環境要因(自宅、職場、通勤経路)別に、また3環境要因複合において算出。その程度を四分位範囲に分類し(Q1:最小曝露、Q4:最大曝露)評価した。
主要評価項目は、自己報告(摂取頻度の質問票に回答)によるテイクアウト食の消費量(g/日;ピザ、バーガー、揚げ物、チップス)、BMI測定値、WHO定義のBMI分類であった。
曝露が大きいほど消費は増大し、BMI増大、肥満リスクとも強く関連
多重線形回帰分析の結果、テイクアウト食店曝露とテイクアウト食消費との関連は明確であった。環境要因別にみると、職場における関連が最も強く(Q4 vs. Q1のβ係数:5.3g/日、95%信頼区間[CI]:1.6~8.7、p<0.05)、用量依存のエビデンスが認められた。同様に、3つの環境要因複合曝露と消費との関連も曝露用量依存のエビデンスが認められ、曝露が大きいほど消費は有意に増大した(Q4 vs. Q1のβ係数:5.7g/日、95%CI:2.6~8.8、p<0.001)。複合曝露はとくに、BMI増大(Q4 vs. Q1のBMI相対指数:1.21、同:0.68~1.74、p<0.001)、肥満リスク(Q4 vs. Q1のオッズ比:1.80、同:1.28~2.53、p<0.05)と強く関連していた。
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