非小細胞肺がんに有望な新規ALK阻害薬/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/07

 

 未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子(ALK)再構成を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、新しいALK阻害薬であるセリチニブは有望である可能性が示された。米国・マサチューセッツ総合病院のAlice T. Shaw氏らが、ALK阻害薬クリゾチニブ投与中に増悪した例を含む進行ALK再構成NSCLC患者を対象とした第I相臨床試験の結果、ALK耐性変異の有無にかかわらず高い活性が示された。ALK再構成NSCLCは、クリゾチニブに感受性を示すが、大多数の患者において耐性が生じる。セリチニブは、クリゾチニブよりも強い抗腫瘍効果を示すことが前臨床試験で示され、新たなALK阻害薬として期待されている。NEJM誌2014年3月27日号掲載の報告より。

ALKに遺伝子変化を有する進行がん患者を対象に検討
 試験は、ALKに遺伝子変化を有する進行がん患者を対象に、セリチニブ50~750mgを1日1回経口投与して行われた。試験の拡大期には、最大耐用量が投与された。

 患者のセリチニブに対する安全性、薬物動態特性、抗腫瘍活性について評価した。なお、クリゾチニブの投与中に増悪したNSCLC患者群において、ALKの耐性変異の有無を調べるため、セリチニブ投与前に腫瘍生検を行った。

 2012年10月19日時点で、合計130例の患者が治療を受けた。59例が用量漸増期に登録され、71例は拡大期の登録であった。

 被験者130例の年齢は中央値53歳、ECOGスコア1の被験者が68%、NSCLC患者は94%であった。

セリチニブ1日400mg以上NSCLC、全奏効率58%、無増悪生存期間中央値7.0ヵ月
 セリチニブの最大耐用量1日1回750mgの投与下において、用量制限毒性イベントとして、下痢、嘔吐、脱水症状、アミノトランスフェラーゼ値の上昇、低リン酸血症などが認められた。

 NSCLC患者においてセリチニブ1日400mg以上を投与された114例の全奏効率は58%(95%信頼区間[CI]:48~67)だった。同患者の無増悪生存期間中央値は7.0ヵ月(同:5.6~9.5)であった。

 また、クリゾチニブ投与歴があった80例の奏効率は56%(同:45~67)であった。奏効は、ALKにさまざまな耐性変異がある患者および変異が検出されなかった患者においても認められた。同患者の無増悪生存期間中央値は6.9ヵ月(同:5.3~8.8)であった。クリゾチニブ投与歴がなかった34例では、無増悪生存期間中央値は10.4ヵ月(同:4.6~算出不可)であった。