閉塞性睡眠時無呼吸、CPAP vs. 夜間酸素補給/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2014/06/26

 

 心血管疾患または複数の心血管系リスク因子を有する閉塞性睡眠時無呼吸患者に対して、夜間酸素補給ではなく持続的気道陽圧(CPAP)療法を行うことで、血圧の有意な低下に結びつくことが示された。米国・退役軍人ボストンヘルスケアのDaniel J. Gottlieb氏らが無作為化試験の結果、報告した。閉塞性睡眠時無呼吸は、高血圧、炎症、心血管リスクの増大と関連している。CPAPは血圧を低下するが、アドヒアランス不良の頻度が高く、その有益性について従来リスク因子の管理を上回るのか不明であった。NEJM誌2014年6月12日号掲載の報告より。

心血管リスクマーカーに及ぼす効果を評価
 研究グループは、睡眠時無呼吸に続発する心血管疾患は、間欠的な低酸素血症が原因となっている可能性があるとして、夜間酸素補給vs. CPAPの心血管リスクマーカーに及ぼす効果を評価した。

 試験は2010年2月~2012年1月に4施設で行われ、冠動脈疾患または複数の心血管リスク因子を有し、睡眠時無呼吸が認められた45~75歳の患者を登録して行われた。

 睡眠時無呼吸スクリーニングはベルリン質問票を用いて行い、また診断を確定するため在宅睡眠検査も行われた。

 上記適格患者のうち、1時間当たりの無呼吸低呼吸指数(AHI)が15~50の患者を、睡眠衛生および健康的なライフスタイルについての教育のみを受ける群(対照群)と、同教育に加えてCPAPまたは夜間酸素補給を受ける群に無作為に割り付けた。

 ベースライン時と試験介入開始後12週時点で、心血管リスクの評価を行った。主要アウトカムは、24時間の平均動脈圧とした。

12週時点、CPAP群の血圧が有意に低下
 318例が無作為化を受け、281例(88%)がベースライン時と追跡調査時の血圧評価(ABPMによる)を完了した(対照群97例、CPAP群90例、夜間酸素補給群94例)。

 12週時点の24時間平均動脈圧はCPAP群が、対照群よりも低く(-2.4mmHg、95%信頼区間[CI]:-4.7~-0.1、p=0.04)、また夜間酸素補給群と比べても低かった(-2.8mmHg、95%CI:-5.1~-0.5、p=0.02)。

 24時間平均動脈圧について、対照群と夜間酸素補給群との間に有意差は認められなかった。

 また欠測データの影響を評価するため、複数の外挿法を用いて感度分析を行ったが、主要解析の結果に変化はみられなかった。

(武藤まき:医療ライター)

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コメンテーター : 高田 佳史( たかた よしふみ ) 氏

東京医科大学 循環器内科 准教授

J-CLEAR推薦コメンテーター