DAPT長期継続で死亡リスク変わらず/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2014/12/12

 

 抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の長期継続は、アスピリン単独療法または短期(6ヵ月以下)のDAPTと比べて、全死因死亡・心血管死亡・非心血管死亡のリスクにおいて差はみられないことが示された。米国・マサチューセッツ総合病院のSammy Elmariah氏らが、無作為化試験14試験・6万9,644例を対象に、DAPT継続の死亡率への影響を検討したシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。これまで、心血管疾患患者に一般的に用いられるアスピリンおよびP2Y12阻害薬の全死因死亡への影響については不明であった。Lancet誌オンライン版2014年11月16日号掲載の報告より。

DAPT継続の死亡への影響をシステマティックレビューとメタ解析で評価
 先行研究の「Dual Antiplatelet Therapy:DAPT」試験において、冠動脈ステント留置後12ヵ月を超えたDAPTの継続は、予想に反して、非心血管死亡の増大と関連していたことが報告されている。研究グループは、あらゆる心血管疾患、治療期間について検討している無作為化対照試験についてメタ解析を行い、DAPT継続の死亡への影響を評価した。

 2014年10月1日時点でMedline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを検索し、DAPTの継続vs. アスピリン単独療法または短期(6ヵ月以下)投与を検討した無作為化試験を特定。ベイズランダム効果モデルを用いて結果をプールし、メタ解析を行った。

 主要アウトカムは、全死因、心血管、非心血管の死亡率を比較したハザード比(HR)とした。

アスピリン単独/DAPT短期(6ヵ月以下)と比較し、死亡について有意差みられず
 検索により、前述のDAPT試験を含む14試験に参加した6万9,644例を特定し分析に組み込んだ。8試験がアスピリン単独療法との比較試験、6試験が継続vs. 短期を検討したものであった。

 結果、アスピリン単独または短期DAPT群と比較して、DAPT継続群の全死因死亡リスクに有意な差はみられなかった(HR:1.05、95信頼区間[CI]:0.96~1.19、p=0.33)。

 同様に、心血管死亡リスク(同:1.01、0.93~1.12、p=0.81)、非心血管疾患リスク(同:1.04、0.90~1.26、p=0.66)についても有意差はみられなかった。

(武藤まき:医療ライター)