低疾患活動性の関節リウマチ(RA)患者に対し、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬の投与を疾患活動性に応じて段階的に投与間隔を延長して投与量を減らす方法は、通常の一定量を継続して行う方法に比べ、有効性について非劣性であることが示された。オランダ・Sint MaartenskliniekのNoortje van Herwaarden氏らが、180例について行った非盲検無作為化非劣性試験で明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年4月9日号掲載の報告より。
主要アウトカムは18ヵ月時点の再燃期間3ヵ月超
研究グループは2011年12月~2014年5月にかけて、オランダ2ヵ所のRA専門の外来診療所で、低疾患活動性RAでアダリムマブまたはエタネルセプトを服用している患者180例を対象に試験を行った。
被験者のうち121例について、疾患活動性に応じて段階的に投与間隔を延長し、最終段階では投与を中止した(減量戦略群)。なお、途中で疾患活動性の再燃が認められた場合には、投与間隔を戻すなどの調整をした。残る59例については、投与間隔を延長せずに通常どおりの方法で投与を行った。
再燃の定義は、DAS28-CRPスコアで1.2超の増大、またはスコア3.2以上で0.6超の増大とした。
主要アウトカムは、18ヵ月時点で再燃期間が3ヵ月超だった患者の割合で、非劣性マージンは20%とした。
減量戦略群、2割でTNF阻害薬投与を中止
結果、主要アウトカムの発生率は、減量戦略群が12%に対し、対照群は10%と、減量戦略群の非劣性が示された(群間差:2%、95%信頼区間:-12~12)。
減量戦略群では、TNF阻害薬の投与を中止できたのは20%(同:13~28)、投与間隔を延長したのは43%(同:34~53)だった。一方で、投与間隔を減らすことができなかった人は37%(同:28~46)だった。
短期間再燃の割合は、減量戦略群で73%、対照群で27%であり、最小限のX線画像上の進行の割合はそれぞれ32%、15%と、いずれも減量戦略群で高率だった。
機能状態、QOL、臨床的に意義のあるX線画像上の進行、有害事象の発生率については、いずれも両群で同等だった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)